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日本語表現文型辞典 [サ行]

097 ~さ/~み 形容詞の語幹:<イ形ー[い]>  +  さ  ・        <ナ形ー[な]>     み  ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:自分で処理できることなら、少しくらい大変でもそうしたら。あの人に借りをつくると、後が面倒よ。 李 :彼のしつこさは人並み外れてるからなあ。いつまでも恩着せがましく言われるのも嫌だし、そうするか。 百恵:高みの見物を決め込むつもりだったけど、こうなったからには、私があなたのために一肌脱ぐわ。 ♯ 解説 ♭  接尾語「~さ」は多くの形容詞の語幹について、一般属性を表す名詞に変えます。接尾語「~み」は「~ような<感覚・感情/様子・色・味/ところ>」などの印象や特徴を表す名詞を作ります。以下が主な「ーみ」のつく形容詞です。イ形:赤み・青み・厚み・甘み・ありがたみ・痛み・うまみ・重み・    面白味・辛み・臭み・苦しみ・強み・弱み・苦み・憎しみ・    深み・丸み・柔らかみ・親しみ…ナ形:憐れみ・真剣味・堅実み・憐れみ…  「~さ」「~み」の両形がある場合も意味の違いがあり、例えば「深さ」は何メートルか計れますが、「深み」は「深いような感じ/深いと思う場所」ですから、計れません。→例題1)   川の深さを測ったら10メートルでした。   川の深み(=深いところ)にはまって溺れた。 § 例文 § 1.可愛さ余って、憎さ百倍。 2.二月も末になると、しだいに暖かさが増してきた。 3.彼女は頭はいいが、人間に暖かみがない。 4.彼は年をとって丸みがでてきたようだね。 5.薬を飲んでしばらくすると、しだいに痛みもやわらいできた。 ★ 例題 ★ 1) 記者たちの努力(によって/にとって/について)、某政治家の地位を利用した株取引の真相が(明るさ/明るみ)(を/に)出された。 2) 「いくら勝つためとは言え、僕はそんな汚い手を(使いたい→    )」「それが君の世間を知らない(甘い→  )だよ。勝つためには手段を(選ぶ→ )ずさ」 (^^)前課の解答(^^) 1) 盛り/盛り/だけ(「~ばかり」は単なる限定ではない→文型362」 2) 見/見(V[ます]形+行く)/行かない(提案:~ないか) 098 *~際(に)/~節(に) 名詞    :の      +   際(に/は/には) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>     節(に/は/には) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:君と良子さんの出会いのきっかけというのは、一体何だったの? 李 :良子とは大学のサークルで知り合ったんだよ。そのうち、何となく結婚しようかってことになって。 山田:はっは、何となくか。それで、その際どちらの両親も賛成してくれたの?何と言っても国際結婚だから。 ♯ 解説 ♭  「~際/~節」のどちらも「とき」を表します。「~際」は「~の時を利用して~する」という積極的な表現で、後件では意志表現が使われます。ですから、偶発的な出来事や自然現象など無意志現象に使うと不自然になります。この場合は「~折」(→文型023)が自然になります。         先生に会うつもりだ。<・際/?折り>   上京のとき 雨に降られた。   <?際/・ 折り>         偶然先生に会った。 <?際/・ 折り>  「~節」は意味用法とも「~折」と共通しますが、手紙や電話などのていねいな会話で多く使われ、敬語と結びつくことが多いのが特徴です。ただし、文末で「~なさい/~なければならない/~だろう」などの強い意志表現や推量表現が使えません。 § 例文 § 1.この際だから、言いたいことは言わせてもらうよ。 2.非常の際には、このドアから避難してください。 3.何か困った際は、いつでも連絡してください。 4.その節はいろいろお世話になりまして、本当にありがとうございました。 5.お暇な節は、是非お越しくださいませ。 ★ 例題 ★ 1) 先日お会いした(際/際/間際)に御相談した件でございますが、(なにとぞ/なにかと)よろしく御検討ください。御返事をお待ち(して/になって)おります。 2) 貴国を(訪問する→    )節、何かと私どものためにお骨折りくださり、誠に感謝( )堪えません。一同を代表して心からお礼を(述べて→      )いただきます。 (^^)前課の解答(^^) 1) によって(→文型348)/明るみ/に(「~が明るみに出る」は慣用) 2) 使いたくはない/甘さ/選ば(~ず→文型121) 099 *~最中に/*~最中は/*~最中だ 名詞:    の      +  最中に 動詞:~ている/~ていた     最中は (注:形容詞「忙しい」につく例もある) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:今は決算期で忙しい最中なので、日を改めてお電話ください。それではまた! 李 :以前つき合っていた彼女からの電話だろ?冷たいこと言わずに、話だけでも聞いてやれよ。 山田:私用電話を仕事の最中にかけてこられると、往生するよ。それに、もう彼女とよりを戻す気はないし。 ♯ 解説 ♭  「~最中」は「ちょうど~ているところ」<動作継続中>を表します。しかし「最中」は行為の最も重要なピーク時を表す語なので、例文1の「タバコを吸っているところ」を「~最中に」変えると不自然になりますし、例文2の「慌てているところ」ような行為ではなく心理状態を表すときは使えなくなります。その点、「~ところ」は動作動詞でも、感情・感覚・心理を表す動詞でも広く使うことができます。  この「~最中」と類義語に「~中」(→文型188)がありますが、名詞との接続の形が違いますから、注意しましょう。  食事の最中 ー 食事中  電話の最中 ー 電話中 § 例文 § 1.トイレでタバコを吸っているところ(×最中)を教師に見つかり、停学処分にされた。 2.引っ越しの真っ最中に雨が降り出し、慌てているところ(×最中)です。 3.みんなが食事をしている最中を、突然、大地震が襲った。 4.今、容疑者の取り調べをしている最中だが、なかなか口を割らない。 5.人が話している最中に、横から口を挟まないでください。 ★ 例題 ★ 1) 山で道(で/に)(迷ったから/迷って)、途方に暮れていた(最中/ところ)に、地元の人が通りかかった。 2) 今は締め切り( )前にして、原稿を(書く→    )最中だから、その話は今度( )してくれ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 際(さい)/なにとぞ(副詞:依頼)/して(謙譲→文型019) 2) 訪問した/に(→文型323)/述べさせ(→文型102) 101 *~さえ~ば 名詞 : ×          +  さえ ~ ば 格助詞:に・で・と・から・の (注:動詞・形容詞接続の場合については解説部で説明する) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :部長は社長の信任が厚いから、部長さえ説得できれば、ゴー・サインは決まったようなものさ。 山田:購入予約さえあれば、生産に踏み出せるのになあ。いつもあと一歩のところまで行くのに・・・。 李 :部長も見通しさえ立てば、あんなに躊躇しないよ。製品スペックを見直してみようか。 ♯ 解説 ♭  「~さえ~ば」文型は「そのひとつの条件が満たされれば~」という意味で、それが駄目なら他は全て駄目だという判断が常に裏側にあります。なお、この文型は「~すら」が使えませんから注意してください。ここでは次の形を覚えてください。→例題1)2)イ形 :おもしろい→ おもしろくさえあればナ形 :元気だ  → 元気でさえあれば動詞 :飲む → 飲みます → 飲みさえすればする :努力する → 努力さえすれば/努力しさえすればている:飲んでいる→ 飲んでさえいれば/飲んでいさえすれば § 例文 § 1.自分さえよければ、他人はどうなってもいいというのか。 2.あなたさえよければ、私は別にかまいません。 3.多少品質に問題があっても、安くさえあれば何でもいいです。 4.私としては息子に高望みはしていません。元気でいてくれさえすればいいんです。 5.金さえあれば何でもできるという風潮が支配的だ。 ★ 例題 ★ 1) うちの主人は、お酒を飲んでさえ(すれば/いれば/あれば)ご機嫌で、まあ酒さえ(すれば/あれば)幸せな人なんですが、夫の健康が気(に/を)かかります。 2) あなた( )協力して(くれる→     )さえ(する→     )ば、私は百人力です。 (^^)前課の解答(^^) 1) に(移動Vの「に」目的地は)/乗ってさえ/かかる(自V) 2) で(×も可)/食べられない(副詞「ろくに~ない」)/が(自V) 102 *~(さ)せて(あげる/くれる/もらう) 動詞の使役形:て形  +  やる/あげる/さしあげる               もらう/いただく               くれる/くださる -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :例の試作車に乗らせてもらったんだけど、印象の薄い車だったよ。発売されても僕は買わないな。 木村:自動車部の仲間のよしみで紹介したのに。それじゃあ、僕の顔が丸つぶれじゃないか。 李 :僕のとっておきのブランデー、もう残り少なくなったけど、君に飲ませてやるから、機嫌を直してくれよ。 ♯ 解説 ♭  この文型は動詞の使役形と受給表現が結びついた形で、許容・許可の表現を作ります。会話では例文1~3のように「~(さ)せてください・~(さ)せてもらえませんか・~(さ)せていただけませんか」などの許可の依頼表現が一番よく使われます。        私が ここで 働く。  →あなたが 私を ここで 働かせる。  →     私を ここで 働かせて ください。  なお、例文5のように恩恵の強調を表すこともあります。 § 例文 § 1.少し疲れました。すみませんが、30分ほど休ませていただけませんか。 2.どんなことでもいたします。給料はいくらでもかまいません。私をここで働かせてください。 3.その仕事は私も興味があります。私にも協力させてくださいませんか。 4.今日は急用がありますので、お先に失礼させていただきます。 5.あ~んと口を開けて、お母さんが食べさせてあげる。 ★ 例題 ★ 1) おい、俺にも一言(だけ/さえ)(言って/言わせて)くれ。(言い/言われ)っぱなしじゃ、気がおさまらない。 2) これ( )もちまして、御挨拶( )(代える→    )ていただきます。 (^^)前課の解答(^^) 1) いれば/あれば/に(慣用語「~が気にかかる」) 2) が(従属句中の主語は「が」)/くれ/すれ 103 *~(さ)せておく 動詞の使役形:て形 + おく -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:よくもあんなに休まずに仕事ができるな。 佐藤:やりたい奴にはやらせておくさ。我々は一服だ! 李 :彼に任せておいても大丈夫だよ。どうせ、機械が勝手に作って、人間はほんの付属品に過ぎないんだから。 百恵:言わせておけば、好き勝手なことばかり言ってるわねえ。彼が気の毒よ。もういいかげんにしたら。 ♯ 解説 ♭  使役形は行為の強制ですが、消極的強制から、消極的な容認へ、更に放置・放任へと意味は拡大していきます。   兄は妹に部屋を掃除させた。          <強制>   その作品は人々に環境問題の重要さを考えさせた。<誘発>   父は子供たちにやりたいことをやらせた。    <許容・放置・放任>  「~ておく」(→資料。)は事前準備の意味を表すほかに、状態保持や放置・放任の意味も表します。その許容・放置・放任の意味をはっきりさせるのが、この「使役形+ておく」文型です。→例題1) § 例文 § 1.どうせ大した用事じゃないんだ。待たせておけ。 2.反対する奴には反対させておけ。結果よければ全てよしだ。 3.今日は疲れているんだろう。ゆっくり寝させておけ。 4.今は泣きたいだけ泣かせておけばいい。 5.あまりわがままにさせておくと、大きくなってから、ろくな人間にはならないぞ。 ★ 例題 ★ 1) がみがみ(言わないで/言わなくて)、そっとし(ていて/ておいて)やれ。今は ひとりで反省(して/させて)おいた方がいい。 2) (言う→     )たい奴( )は、(言う→    )ておけばいい。君は君の道を行け。 (^^)前課の解答(^^) 1) だけ/言わせて/言われ(受身形&「~っぱなし」→文型173) 2) を(「~をもって」の丁寧語→文型480)/に/代えさせて 104 *~(さ)せてしまう 動詞の使役形: て形 + しまう -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :山田さんが馬鹿なことばっかり言うから、百恵ちゃんをかんかんに怒らせてしまったじゃないか。 佐藤:君がそれとなく注意して、山田さんを黙らせてしまえばよかったのに。 李 :事ここに至っては、なんとかこの場をまるく収めるしかないよ。山田さんには、いつも手を焼くよ。 ♯ 解説 ♭  「~(さ)せてしまう」は「あ~あ残念だ」「あ~あ、失敗した」という感情を込めた不本意の表現です。前に来る動詞は感情や心理、また自然・自発の生理自然現象を表す動詞が多いでしょう。  もし前に来る動詞が意志動詞の時は、会話中の「黙らせてしまえばよかった」のように、「完全に・徹底して~させる」という強制の文ともなりますが、用例としてはあまり多くありません。 § 例文 § 1.待たせてしまったね。ごめん、ごめん。その償いに食事をおごるよ。 2.水をやり忘れて、花を枯れさせてしまた。 3.ちょっとしたミスが、全体の計画を挫折させてしまうことがある。 4.軽い冗談のつもりで言っただけなのに、彼女を怒らせてしまった。 5.ふとした運命のいたずらが、彼の人生を狂わせてしまった。 ★ 例題 ★ 1) 僕が非行(に/を)走った(だけに/ばかりに)、親(を/が)悲しませ(てしまった/ていた/ておいた)。 2) 君( )何もかも(やる→     )しまってごめん。この償いはいつ( )きっとする。 (^^)前課の解答(^^) 1) 言わないで(→文型257)/ておいて/させて 2) 言い(V〔ます〕形+たい)/に(使役文「が→に」)/言わせて 105 *~(さ)せられる 動詞使役形:~(さ)せる   → ~(さ)せられる      :~(さ)す    → ~される -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ <注:「~される」の形は「する」と「~す」で終わる動詞を除く> 山田:人の不始末の尻拭いで、毎日遅くまで残業させられたんじゃたまらないよなあ。 百恵:残業させられる人の身にもなってほしいものだわ。若い独身の女性がこんな時間まで残業してるようじゃあ、いい人に巡り合えないわ。 山田:独身男性がここにも一人いるのをお忘れ? ♯ 解説 ♭  「~(さ)せられる」は「使役の受身」と呼ばれています。使役形には「~(さ)せる」と「~(さ)す」の形がありますから、使役の受身形も二通りあります。意味の上では「~ことを強制される」という強い被害感を表すときと、感情・感覚を表す動詞について「自然に~になる/になってしまう」という自発・誘発を表すときに分かれますが、用例としては自発・誘発の方がはるかに多いでしょう。            私が 歌を 歌う。<使役文>  部長が 私に 歌を 歌わせる。                  歌わす<被役文>  私は 部長に 歌を 歌わせられる。                  歌わされる。 § 例文 § 1.上司に飲めない酒を無理矢理飲まされて、立って歩くこともできなかった。 2.食べたくもないのに食べさせられるのは、ほとんど拷問に近い。 3.父親に雨の中をタバコを買いに行かされた。 4.昨日の空中ブランコは見ていてはらはらさせられた。 5.糠味噌の腐るような部長の歌を何曲も聴かされても、「もう一曲」と拍手しなければならない身の辛さ。 ★ 例題 ★ 1) 小さい妹の世話を(するし/したり)、食事の支度を(するし/したり)、本当にあの子には感心(する/させられる)。 2) あの先生( )はいつも本文( )暗記させられたが、今思えば、それが会話力( )つける一番の近道だった。 (^^)前課の解答(^^) 1) に/ばかりに(→文型364)/を(自Vの使役文)/てしまった 2) に(他Vの使役文)/やらせて/か(「誰か・どこか」などの「か}) 106 *~ざるを得ない 動詞:[ない]形  +  ざるを得ない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ <注:「する」→「せざるをえない」。可能形や「ある・わかる」などの状態動詞、「疲れる・困る」などの状態性の動詞にはつかない> 李 :あれだけの証拠を突きつけられたのでは、流石の彼も自分の落ち度を認めざるを得なかったようだ。 山田:ぐうの音も出ないとは正にこのことだね。その直後のリーダーとしての再指名とあっては、彼も名誉挽回のためにも死にもの狂いで頑張らざるを得ないだろう。 李 :部長の人使いのうまさには脱帽するよ。 ♯ 解説 ♭  「~ざるを得ない」は少し硬い言い方ですが、例文1~3のように「(何か事情があって)~するしかない/~しなければならない」という意味を表します。また、例文4、5のように、「諸事情を考えると/いろいろ賛否はあっても~という結論に至る」という婉曲な断定の用例も生じてきます。  どちらの場合でも「そうしたくはないが、しかたなく~」という感情を込めた不本意な選択で、積極的な選択ではありません。類義表現に「~よりほかない」(→文型391)や「~ないわけにはいかない」(→文型457)などがありますが、日常の会話で多く使われるのはこちらの方でしょう。   やらざるを得ない。  =やるしかない/やるよりほかない。  =やらないわけにはいかない。 § 例文 § 1.君がしないなら、僕がやらざるを得ないだろう。 2.風邪気味なので休みたいのだが、社長命令では出社せざるを得ない。 3.したくなくても、せざるを得ないことはあるものだ。 4.今回の原発事故の責任は、単に現場担当者だけでなく、政府にもあると言わざるを得ない。 5.いろいろな医学データーから見て、タバコは癌の原因になると言わざるを得ない。 ★ 例題 ★ 1) (こんな/こんなに)雨が(ひどくては/ひどくて)、野外パーティは中止(せざる/しざる)を得まい。 2) 君一人の責任ではないが、君( )も非があると(言う→   )ざる( )得ないだろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) したり(→文型158)/したり/感心させられる(自発・自然) 2) に/を(他Vの使役文「~に~を~させる」)/を(他V) 107 *~し、~/*~し、~し~ 名詞    :  だ      + し、~ 動詞・形容詞:普通形 <ナ形ーだ>     し、~も~し~ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :体はだるいし、頭も痛いし、今日は会社を休みたい気分だなあ。 良子:たまには年休をとって、のんびりしたら?働き詰めじゃ、体が持たないわよ。 李 :そうしようか。出世の階段を上るためにあくせくするより、自分の時間を大切にしたいし。 ♯ 解説 ♭  「~し」は事物を累加するときに使う接続助詞です。一度しか「~し」が使われていないときにも、同類の何かがあることを暗示しています。多くの場合は副助詞「も」と呼応し「~し、~も~し~」という形で使われますから、そのまま覚えておきましょう。この場合、「~も~ば、~も~」文型(→文型427)と同義表現になります。また、「~し/~し、~し~」が文脈上、原因・理由を表すときは、「~て~て~から/~て~て~ので」と同義表現になります。→例題1)   お金もないし、暇もない。    <添加>    =お金もなければ、暇もない。   お金もないし、暇もないし、家で寝ているしかない。<理由>    =お金もなくて、暇もないから、家で寝ているしかない。 § 例文 § 1.もう時間も遅いことですし、そろそろ失礼いたします。 2.急に残業しろと言われたって、こちらにも都合があるし、困ったなあ。 3.雨も降っているし、風も強いし、最悪の天気だ。 4.彼はスポーツ万能だし、ハンサムだし、女の子にもてないわけがない。 5.瀬戸内地方は気候も温暖だし、魚もうまいし、果物も豊富です。 ★ 例題 ★ 1) どんな場合に(は/も)、賛成者もいるし、反対者(は/も)いる。反対を恐れるのは何(を/も)しないのに等しい。 2) 人( )はそれぞれ事情というものがある( )、余り無理強い(する→  )方がいい。 (^^)前課の解答(^^) 1) こんなに/ひどくては(~ては→文型188)/せざる 2) に/言わ/を 108 *~しかない/*~しか~ない 名詞/数詞   :    ×      +  しかない これ・それ・あれ:    ×         しか ~ ない 格助詞     :    × 動詞      :原形/ている形/て形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :このディジタル・カメラは予定外の買い物だよ。現金が1万円しかないので、カードを使うしかないな。 小平:ママ、僕、お腹が空いたよ。早く何か食べようよ。 良子:今日は外食は取りやめて、お家で食べましょうね。あなたも節約よ。愛しい恋女房の手料理では、まずくても食べるしかないわよね。それとも、カメラ、諦める? ♯ 解説 ♭  「しか~ない」は「だけ」と同じ限定の用法ですが、語感の違いが生じます。「~だけ」は感情を含まない限定ですが、「~しか~ない」は「不足・不満・残念」などの話者の感情が強く現れます。この「~しか~ない」を更に強調したのが「~だけしか~ない」(→文型065)です →例題1)     5000円だけあります。<客観事実>     5000円しかありません。<不足・不満・残念>  動詞と結びつくときは「遊ぶしかない/遊んでしかいない/遊んでいるしかない」、形容詞と結びつくときは「美しくしかない/不幸でしかない」のようになるのですが、形容詞の用例は少ないので取り上げませんでした。 § 例文 § 1.試験まで、泣いても笑っても、あと一週間しかない。 2.これはこの店でしか手に入らない品物ですよ。 3.あなたって人は、自分に都合がいいことしか覚えていないのね。 4.人は過去には戻れない。辛くったって、前に歩くしかないんだよ。 5.進むも地獄、退くも地獄、こうなったら、なるようになれと開き直るしかない。 ★ 例題 ★ 1) 頼れる人は、私には(もう/まだ)あなた(だけ/しか)(いる/いない)んです。 2) この世( )は、その人( )しか(できる→    )ことが一つあると言われている。 (^^)前課の解答(^^) 1) も/も/も 2) に(「~には(こと)がある」文/し/しない(→文型388) 109 ~しき これ・それ・あれ: ×  +  しき                 しきの + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :神社の前の坂道、なんのこれしきと思ったけれど、途中で息切れがして、やむなく自転車を押して登ったよ。 良子:お腹も出てきたし、何か運動を始めたら?学生時代はあんなにスリムだったのに、今は見る影もないわ。 李 :よし、心を入れ替えて、毎朝ジョギングしよう。 良子:三日坊主にならないでね。 ♯ 解説 ♭  「~しき」は希に数詞につきますが、「これ・それ・あれ」と結びつく場合がほとんどです。「~しき~ない」は「~だけしか~ない」に相当し、「~しきの+名詞」は「この程度/その程度/あの程度」や「これぐらい/それぐらい/あれぐらい」を使って表すことができます。用例としては「~しきの+名詞」が一番多いでしょう。どの場合も「(程度や量が)とるに足りない/とても簡単だ/とても僅かだ」という感情が強く現れる表現で、残念・失望・軽蔑・軽視といった気持ちが強く現れます。 § 例文 § 1.それしきのことで、君はもう諦めるのか。 2.だらしないぞ。これしきのことで音を上げるな。 3.汗水たらして働いて、わずかこれしきの給料とは情けなくなる。 4.私にとってそれしきのこと、何でもありません。三日もあれば、やって御覧にいれます。 5.「あれしきのことなら、俺にだってできるよ」「だったら、やってみせてよ。口先だけなら何でも言えるわ」 ★ 例題 ★ 1) 男(のくせに/にもかかわらず)、(あれ/それ)しきのけがで泣いたりする(んじゃない/んじゃないか)。 2) 試合はまだ(始まる→    )ばかりだ。これ( )( )の点なら挽回できる。決して勝負を投げる( )。 (^^)前課の解答(^^) 1) もう/しか/いない 2) に(「~には(こと)がある」文/に(~に~できる)/できない 110 *~次第 動詞:[ます]形 + 次第  ~ する -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:支度はすっかりできたから、小平が帰り次第、出かけましょ。車は大丈夫? 李 :いつでも大丈夫だよ。最近、寝不足気味だから二階で寝てるよ。仙台まで、ちょっと距離があるからねえ。 良子:あなた~、母から電話で、仙台手前のサービスエリアに着き次第、電話をかけてくださいだって。 ♯ 解説 ♭  「~次第」は「~たら、すぐ~」に相当する丁寧な表現で、電話の応対などでよく使われます。改まった会話では「~ 次第」の方が適切です。なお、例文5の「手当たり次第」は慣用語なので、そのまま覚えてください。  文法上注意するのは、「~たら、すぐ~」と「~と、すぐ~」の用法の違いです。条件の「と」と「たら」の違い(→資料・)があるため、「~と、すぐ~」の後件では、「~てください/~なければならない/~ほうがいい」などの意志表現ができませんから、この項の例文はどれも「~と、すぐ~」が使えません。  荷物が ○着いたらすぐ  連絡してください。      ○着き次第、      ×着くとすぐ § 例文 § 1.調査結果がわかり次第、そちらに御報告いたします。 2.犯人を見つけ次第、逮捕せよ。 3.先方から矢のような催促がきてるので、食事が終わり次第、ただちに仕事に取りかかってくれ。 4.今、主人はあいにく留守にしておりますが、帰り次第そちらにお電話させます。 5.夫の浮気を知った妻は怒りの余り、手当たり次第に物を投げつけた。 ★ 例題 ★ 1) 社長の了解が(得られる/得られ)次第、(たちまち/ただちに)この計画(に/を)着手する。 2) 原稿が(書く→   )(上がる→    )次第、至急、編集部に送って(もらう→    )ませんか。 (^^)前課の解答(^^) 1) のくせに(非難→文型070)/それ/んじゃない(禁止→文型190) 2) 始まった(→文型146)/しき/な(禁止命令:V原形+な) 111 *~次第だ/*~次第で 名詞   : ×    +  次第で(は)   ・                次第だ 連体修飾句: ×    +  次第で     ・                次第だ (注:・の時は、「~ような次第/~という次第」 などの形が多い) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :明日は状況次第で、行き先を変えようか。今は季節がいいから、海でも山でも楽しいよ。 良子:私は紅葉が見たいけど、道がとても込むんでしょうね。こればかりはパパの気力次第ね。 李 :渋滞が長いと小平が飽きるし、その時は紅葉を諦めて、近くのサファリパークへでも行こうや。 ♯ 解説 ♭  「~次第だ」は例文1~3のように「~によって決まる」という意味を表します。例えば「やり方次第で、早くもできれば遅くもできます」は「やり方によって、早くもできれば遅くもできます」と言い換えることができます。しかし、「国によって文化や習慣が違う/人によって考え方が違う」のように、人間の意志を越えたところにある客観事実や現象には「~次第だ」が使えません。つまり、人間の意志で左右できることにだけ、「~次第だ」は使われます。   やり方によって(・次第で)、早くもできれば遅くもできる。   教師によって(×次第で)教え方が違う。  例文4、5の「次第」は「事情・経過」の意味の名詞として使われている用例で、「名詞+次第で」とは接続も違いますから、注意しましょう。 § 例文 § 1.地獄の沙汰も金次第。(俗語) 2.ものは考えようだよ。見方次第では「禍が転じて福となる」かもしれないよ。 3.ものは言いようで角が立つ、言い方次第で好感を持たれることもあれば、反発を招くこともある。 4.ことと次第によっては、社長自らご出馬いただかなければならなくなるかもしれません。 5.・・・につきましては、以上述べたような次第です。 ★ 例題 ★ 1) 君(って/だって)その日の(お/ご)天気次第で、気分がころころ(変える/変わる)人だね。 2) (やる→   )方次第( )、早く( )できれば遅くもできる。 (^^)前課の解答(^^) 1) 得られ/ただちに(「たちまち」は自然現象)/に 2) 書き(→文型003)/上がり/もらえ(依頼) 112 ~しな/~がけ 動詞:[ます]形 + しな(に)           がけ(に) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:彼も隅に置けないよ。ふらりと現れて、帰りしなに百恵ちゃんとデイトの約束をしていたよ。 李 :彼が女に手が早いのは有名だけど、よりにもよって百恵ちゃんにまで手を出すとはねえ。 真理:百恵ちゃんにしたら、彼は遊び相手として手ごろなのよ。最近の若い娘は、意外としたたかなのよ。 ♯ 解説 ♭  接尾語「しな」「がけ」は動詞の[ます]形に接続して、「~するときに、ちょっと~する/~するついでに、ちょっと~する」を意味を表します。時間的には「~する前・~している途中・~した直後」を表せます。  「がけ」は普段語で、電話の応対などではていねいな会話では「しな」の方がいいでしょう。なお、例文5の「行きがけの駄賃」は慣用句なので「しな」が使えませんが、それ以外はどちらも置き換えが可能です。 § 例文 § 1.近くを通りしなに、ちょっとなじみの飲み屋に寄った。 2.寝しなにいっぱい飲むのが、毎日の習慣になっている。 3.彼は起きしなで、まだ寝ぼけているようだ。 4.「病院への行きがけに、お見舞いの花でも買って行くよ」「退屈しのぎに雑誌も持って行ってあげたらどう?」 5.「行きがけの駄賃に、旅館のタオルを失敬したよ」「私も旅館の帰りがけに、記念に下駄をもらっといたわ」 ★ 例題 ★ 1) 部屋(を/に)出しな(に/で)、突然走っ(て来た/て行った)子供とぶつかった。 2) 「その足の傷はどう(する→   )んですか」「バスを(降りる→   )しなに、(つまずく→     )しまいましてね」 (^^)前課の解答(^^) 1) って(~って→文型172/~だって→文型198)/お/変わる(自V) 2) やり(→文型435)/で/も(~も~ば、~も~→文型427) 113 ~渋る 動詞:[ます]形  + 渋る -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小平が人参を食べたくないって、渋っているよ。料理の仕方を工夫してみたら? 良子:できるだけ細かく切ったり、すり下ろしたりしてるのよ。今日のはちょっと手抜き。 李 :料理教室で習ってるんだろ。小平と僕が期待してるんだから出し渋らないで、腕を披露したら。 ♯ 解説 ♭  「渋る」は「調子が悪い」とか「嫌がる/ためらう」という意味を表す動詞で、例1のように単独でも使われます。しかし、動詞の[ます]形に接続したときは、例2~5のように「~するのを嫌がる/~するのをためらう」意味を表す補助動詞になります。ですから、「言い渋る≒言うのを嫌がる」とほぼ同義です。 § 例文 § 1.答えを渋るのは、要するに気が進まないと言うことだね。 2.あいつは決まった会費さえ出し渋るけちな奴だ。 3.あの会社は値上げを見込んで、在庫があるのに売り渋っている。 4.このような不況の時代は、誰でも高価なものは買い渋るものだ。 5.女に結婚を迫られたが、男は返事を言い渋った。 ★ 例題 ★ 1) 「(どうにか/どうしても)新しい発想(が/を)浮かば(なくて/ないで)、筆が渋っています」  「気分転換に旅行(を/でも)したらどうですか」 2) 彼はわずか5000円のお金を(出す→   )渋り、クラスの親睦旅行( )すら(行く→    )としなかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) を(離れる場所)/に/て来た 2) した/降り/つまずいて(不本意:~てしまう) 114 ~始末だ こ・そ・あ:この/こんな  +  始末だ 動詞   :原形/ない形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 係長:息子にもう少し根性があるといいんだがな。一時間も勉強しないうちに、居眠りを始める始末でね。 李 :うちの子供にも呆れます。忘れ物を注意すれば、今度は落とし物をする始末です。 係長:あっ、しまった!僕も会社に大事な書類を忘れてきた。大人も子供のことは言えないなあ。おーい、お勘定! ♯ 解説 ♭  「始末」という名詞は、例文1のように「処理」、例文2のように「(よくない結果に至った)事情・経過」という意味を表しています。  そこから、「~始末だ」という文型が生まれますが、例文3~5のように「こ・そ・あ」や動詞について「~というよくない結果や事態になった」という意味を表します。後件でいい結果になったことが表せませんから、注意しましょう。  ○受ける大学の全てに不合格になる始末だ。  ×努力して○○大学に合格する始末だ。 § 例文 § 1.お前は自分のやったことの始末も自分でできないのか。全く始末に負えない奴だ。 2.ことの始末は、今まで述べたとおりです。 3.何だ、この始末は!一体、自分の責任をどうとる気だ。 4.あの二人は犬猿の仲で、ちょっとしたことでも、すぐ口論になる始末だ。 5.借金に借金を重ねたあげく、ついには夜逃げまでしでかす始末だ。 ★ 例題 ★ 1) お宅のお嬢さん(に/で)は手を焼いています。いつも男の子を殴っ(て/ては)(泣く/泣かせる)始末です。 2) 最近( )は、遊ぶ金(ほしい→    )に、売春( )走る女子中学生まで出る始末だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) どうしても/が/なくて(→文型257)/でも(=例えば~など) 2) 出し/に/行こう(→文型441) 115 *~上/~面 名詞: ×  +  上             ・           上の  + 名詞 名詞: ×  +  面(が/で/に・・・)   ・           面の  + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :捕鯨禁止条約をどう思う? 佐藤:鯨だけを特別視するのは理屈に合わないよ。日本人は昔から鯨を食べてきたから、生活感覚上も納得できないね。地上の全ての種を保存せよなど、机上の空論だよ。 李 :人類がこれだけはびこるとなると、いずれは恐竜の二の舞だろうなあ。 ♯ 解説 ♭  「~上(じょう)」は、例文1、2のように場所を表す名詞について「~の上で」を表すときと、例文3~5のように抽象名詞について「~の方面/点で」「~の観点から見て」の意味を表すときに分かれます。  類義語に「~面」がありますが、「面」は「良い面を伸ばす/社会の暗い面」のように、事態の一面または一部分を表しています。例文3~5のようにどちらも使える用例もありますが、下のような例では用法の違いも生じます。→例題1)   尊敬している歴史上(×歴史面 )の人物   政界の暗黒面(×暗黒上)を暴く。 § 例文 § 1.道路上で遊んではいけませんよ。 2.彼女は船上で、見送りの人の姿が見えなくなるまで、ずっと手を振っていた。 3.この種の露骨な性描写は、教育上(⇔面で)好ましくない。 4.彼とは仕事面で(⇔上)のつきあいだけで、それ以上の関係ではありません。 5.日本の福祉は財政面で(⇔上)問題があるのはもちろんですが、元々制度面で(⇔上)欠陥があるのです。 ★ 例題 ★ 1) この賞は、学問(上/面で)有益な貢献をした人に(贈る/贈られる)(こと/もの)です。 2) 業務上(知る→   )得た個人情報( )関しては、規則上、口外できない(ことになる→       )。 (^^)前課の解答(^^) 1) に(慣用「~に手を焼く」)/ては(反復→文型188)/泣かせる 2) で(範囲限定)/ほしさ(→文型097)/に(<行為>に走る) 116 *~末(に)/*~末の 名詞: の  +  末(に)  ~ した 動詞:た形     末の  +  名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:両派は長い争いの末にたもとを分かったね。仲を取り持とうとした努力も、水の泡と消えたわけだ。時間とともに利害関係が生まれて、組織をむしばむね。 李 :どんな争いも、終わってみると空しいなあ。公害裁判も長いこと争った末に和議に持ち込まれたけど、患者の多くは亡くなっているし、双方に不満は残ってるよ。 ♯ 解説 ♭  「~末(に 」は「~した結果~した」を表しますが、その過程で色々な困難や問題があったことが暗示している点に特徴があります。  同じ結果を表す「~あげくに」(→文型002)は、必ず悪い結果の発生ですが、「~末に」は悪い結果も良くない結果も表すことができます。これら「~末に」「~あげくに」は人為の事柄で何らかの話者の感情が含まれますから、自然現象そのものや、新聞報道のように客観事実をそのまま伝える文では不自然になります。そのときは「~結果」を使いましょう。  大雨の結果、山崩れが起こった。<自然現象>  裁判の結果、有罪が確定した。 <客観事実の伝達>  その他、「末」は単独の名詞として、「年の末<終わり頃>」「この子は末が楽しみだ<将来>」などの用法があります。 § 例文 § 1.いろいろ考えた末、進学をあきらめることにしました。 2.大恋愛の末の結婚が、なんと一年間で破綻とはねえ。 3.実験に実験を重ねた末に、ついに新薬の開発に成功した。 4.経営会議で協議の末、君を副社長に抜擢することにした。会社再建のため、腕を振るってくれたまえ。 5.別れるの別れないのとすったもんだの末、結局、元のさやに収まった。 ★ 例題 ★ 1) 戦後生き別れ(にした/になった)娘を(捜し求める/探し求めた)末、50年目にしてやっと(巡り会える/巡り会えた)。 2) あいつ( )きたら、人( )さんざん迷惑を(かける→   )末に、礼も(言う→   )ずに出て行った。 (^^)前課の解答(^^) 1) 上/贈られる(「~を~に~する」→「~が~に~られる」)/もの 2) 知り(→文型017)/に/ことになっている(規則→文型090) 117 *~過ぎる/~過ごす 動詞:[ます]形 +  過ぎる   ・             過ごす    ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :しまった、行き過ぎた。 良子:次の交差点を左折と言ったでしょ。 李 :右側のスタンドが気になってね。なんとレギュラーが90円を切ってたよ。 良子:あのトラックをやり過ごしてからUターンしたら?ねえ、右に寄り過ぎないでよ。恐いわ。 ♯ 解説 ♭  補助動詞「~過ぎる」(自動詞)は例文1、2のように、「程度が普通以上だ/過度だ」を表す初級表現で、広範に使われます。  「~過ごす」(他動詞)の形があって、例3~5のように「うっかり(予定された時間・場所や適度を)越えてしまう」という意味の表現になります。しかし接続する動詞は多くありません。「見過ごす・思い過ごす・やり過ごす・聞き過ごす…」のように慣用的に決まった使い方が多いので、語彙として覚えた方がいいでしょう。→例題1) § 例文 § 1.う~ん、食べ過ぎた。お腹がパンクしそうだ。 2.彼の業績はいくら高く評価しても、し過ぎることはないだろう。 3.うつらうつらしているうちに、うっかり乗り過ごしてしまった。 4.しまった!寝過ごしてしまった。 5.彼が君を恨んでいるなんて、それは君の思い過ごしだよ。 ★ 例題 ★ 1) 今度(だけ/ばかり)はこの失敗を見(過ぎ/過ごし)て(やる/くれる)が、「仏の顔も三度(だけ/ばかり)」だと思え。 2) 考えごとを(する→  )ながら(歩く→     )うちに、自分の家を(通る→   )過ごしてしまった。 (^^)前課の解答(^^) 1) になった/探し求めた/巡り会えた(文末は常に完了形) 2) と(~ときたら→文型229)/に/かけた/言わ(→文型121) 118 ~ずくめ 名詞     : ×     + ずくめ 一部の「ナ形」:<ナ形ー×> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :彼の話はいつも結構ずくめだが、どこまで信用できることやら。彼と一緒に出張してどうだった? 山田:彼のことは別にして、充実した一週間だったよ。仕事の外に、従弟の結婚式に出席できたし・・・。 佐藤:結婚式と言えば、あの黒ずくめの集団は異様だよね。前から来ると、思わず道をあけるよ。 ♯ 解説 ♭  「~ずくめ」は「全て~ばかりだ/全て~一色だ」を表す接尾語で、良いことにも良くないことにも使われます。注意してほしいのは類義語の「だらけ」(→文型155)との違いです。    間違いだらけの作文    間違いずくめの作文  「だらけ」は「間違いがが普通以上にたくさんある」こと、「ずくめ」は「最初から最後まで、全てまちがいばかり」という点にあるでしょう。→例題1)  また、「だらけ」は常に良くないことに使われますから、「楽しいことだらけ/幸せだらけ」という表現はありません。しかし、「~ずくめ」を使って「楽しいことずくめ/幸せずくめ」と言うことができます。 § 例文 § 1.この学校は規則ずくめで、窮屈でしかたがない。 2.楽しいことずくめの毎日なんて、あるはずがないだろ。 3.幸せずくめに見えた彼女にも、人知れぬ悩みがあったんだね。 4.昇進したし、子供も生まれたし、今年はいいことずくめだった。 5.社長の話は、最初から最後まで小言ずくめで、もう聞いててうんざりしたよ。 ★ 例題 ★ 1) (この/こんな)誤字(だらけ/ずくめ)の作文を書いて、君、(恥ずかしい/恥ずかしくない)かい? 2) このところ、何をやっても(失敗→    )ずくめ( )、自分が嫌に(なる→    )ちゃうよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) だけ(→文型131)/過ごし/てやる/だけ 2) し(→文型269)/生歩いている(~うちに→文型016)/通り 119 ~ずじまい 動詞:[ない]形  + ずじまい -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :東京にいらっしゃる間に、一度お会いしたかったのですが、今回も会えずじまいでしたね。 難波:李さん、来月は大阪にいらっしゃるのでしょう。そのとき、どこかおいしい店にお連れしますよ。 李 :ええ、是非。残念なことに、前回行ったときも、本場のお好み焼きを食べずじまいでしたから。 ♯ 解説 ♭  「~ずじまい」は「~ないで」を表す「~ず(に)」と「終わり」を表す「じまい」が結びついた文型で、多くの動詞について「(~しなければならないことを)結局~しないで終わる」という意味の名詞になります。後悔・残念・失望などの感情が強く現れる表現です。  また「~じまい」は一部の名詞や形容詞の語幹について「店じまい・五時じまい・早じまい」のように「<店を/五時に/早く>終わる」を意味することもあります。これは「終わり」の意味の接尾語です。 § 例文 § 1.出さずじまいのラブレター、そっと広げて懐かしむ。 2.「結婚しよう」という一言がとうとう言えずじまいだった。 3.やりたいことは山ほどあったが、結局、何もできずじまいでこの歳になった。 4.軍によって公表されずじまいになっていた開戦の真相が、ひとつ、またひとつと明るみに出てきた。 5.高価な百科事典を買ったものの、結局、読まずじまいで、本棚に飾ってあるだけだ。 ★ 例題 ★ 1) その調査報告書は企業の圧力(に/によって)握りつぶされ、発表(せず/されず)じまい(が/に)終わった。 2) あれほど見たかった映画(だ→   )が、仕事に(追って→     )、結局(見る→  )ずじまいだった。 (^^)前課の解答(^^) 1) こんな/だらけ(「~ずくめ」は全て誤字)/恥ずかしくない 2) 失敗/で/なっ(口語:なってしまう→なっちゃう) 120 *~ずつ 数量詞・少し: + ずつ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:この窓口は凄い行列だね。あまり動いていないし、一時間ぐらいはかかりそうだよ。 李 :てきぱき処理しているのに、時間がかかっているようだ。システムに改善の余地ありだな。 佐藤:ちょっと窓口の数も足りないね。一人に三分ずつかかっても、一時間で二十人の勘定だよ。 ♯ 解説 ♭  「~ずつ」は「少しずつ/わずかずつ」のような例もありますが、ほとんど数量を表す語について、同じ量を均等に分けたり、均等に繰り返す事態を表す副助詞です。  なお、「毎に」(→文型088)と「ずつ」の間違いが多いので、次に違いを取り上げておきます。下例の「二時間毎に」は二時間休んで勉強するという意味の解釈できますが、やはり意味不明の文です。   毎晩、二時間ずつ勉強する。<二時間の勉強を毎晩繰り返す>   毎晩、二時間毎に勉強する。<二時間休んで一回勉強する> § 例文 § 1.毎朝、この錠剤を三粒ずつ服用してください。 2.五人一組のチームを作ります。じゃ、みなさん、五人ずつに分かれてください。 3.病状は少しずつ回復に向かっている。 4.この時計は毎日二分ずつ遅れるんです。 5.「ちりも積もれば山となる」だね。わずかずつでも積み立てた貯金が三十万円になったよ。 ★ 例題 ★ 1) ここに飴が十個(います/あります)。子供が五人(います/あります)。一人(で/に)何個(毎/度/ずつ)配ればいいですか? 2) 言葉は一度( )たくさん(覚える→      )とするより、毎日30分( )( )でも復習した方がよい。 (^^)前課の解答(^^) 1) によって(→文型348)/されず(受身)/に(結果の「に}) 2) だった/追われ(受身:~を追う→~に追われる)/見 121 *~ず(に)/~ぬ/~ずば/~ずして/~ずとも 動詞:[ない]形  +  ず(に)     ・              ずして             ぬ + 名詞             ずば       ・             ずとも      ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :うちの部長が、この店のすき焼きを食べずして、すき焼きを語ることなかれと言ってましたよ。 難波:そこまでおっしゃられるのでは、食べずに大阪へ帰るわけにはいきませんね。 李 :食い道楽の部長のことですから、きっとうまいに違いありません。じゃ早速、注文しましょうか? ♯ 解説 ♭  「~ず」は「~ない」に相当する古語で、現代でも「~ないで」に相当する「~ず(に)」や、「ず」の連体形「ぬ」は「許されぬことだ」「浮かぬ顔をしているね」のように口語でも使われます。語形は「する→せず/せぬ」「来る→こず/こぬ」、その他は「行く→行かない→行かず/行かぬ」となります。   食事をしないで会社に行った。=食事をせず(に)会社に行った。  「~なければ」に相当する「~ずば」や、「~ず(に)」の強調形「~ずして」はことわざや決まった言い方に残っているだけですから、読んでわかれば十分です。 § 例文 § 1.彼は脇目もふらずに、研究に打ち込んでいる。 2.二人の間には、知らず知らずのうちに、愛が芽生えていた。 3.「雉も鳴かずば撃たれまいに」とは、自分の置かれた状況を考えずに、よけいな発言をし、自ら災いを招くことのたとえだ。 4.浮かぬ顔をしてるけど、何かあったの? 5.これは君のあずかり知らぬことだ。知らずともよい。 ★ 例題 ★ 1) 勉強も(しず/せず)に遊んで(だけ/ばかり)いる(と/とき)、また来年も浪人するわよ。 2) 警察から何を(聞く→    )ても、知ら( )存 ぜ( )で押し通せ。 (^^)前課の解答(^^) 1) あります/います/に(割合の「に」)/ずつ 2) に(割合:一度にたくさん)/覚えよう(→文型441)/ずつ 122 *~せいだ/*~せいで/*~せいか 名詞    :    の      +   せいだ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな>      せいで                       せいか (注:「~せいにする」という慣用的言い方がある→解説) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :自分の思い通りにならないのを、世の中や部下のせいにするようになったら終わりだよね。そう思わない? 百恵:それって、社長の歳のせいもあるんじゃない? 李 :今期の減益は為替差損のせいだけど、経営陣の見通しの甘さにこそ責任があると思うねえ。それにしても、何もかも担当者のせいにされては気の毒だよ。 ♯ 解説 ♭  「~せいで」は例文1~3のように、「~(の)原因・理由で~」を表しますが、常に後件で悪い結果を表します。同じ原因・理由の表現「~おかげで」(→文型018)は、常に後件で良い結果を表しますから、正反対の表現となります。どちらにも使える中立の表現が「~ために」(→文型152)です。  また、例文4の「気のせい」は「錯覚」を意味する慣用語ですが、「~せいか」と不確かさを表す「か」がつくと、「断定的できないが、たぶん~(の)せいで」という語感になります。「~せいで/~おかげで/~ために」はすでに起こったことを表す「ので」系表現(→資料、)で、文末で推量・意志表現はできませんから注意しましょう。  なお、例文5のように「~せいだ」の形や、単独で「せい」が使われるとき、「過失/過ち/(悪い結果になった)責任」の意味となります。 § 例文 § 1.このところ運動不足のせいか、体重が10キロも増えてしまいました。 2.生まれつき頭がよくないせいで、小さい頃から勉強の方は全然駄目でした。 3.熱があるせいか、頭がふらふらします。 4.気のせいか、ドアの外に誰かいるような気がします。 5.「この子がぐれたのは、お前の教育が悪いせいだ」「人のせいにしないでよ」 ★ 例題 ★ 1) 今回のことは誰の(おかげ/せい)でもない。上司(だ/である)私が判断を誤った(おかげだ/せいだ)。 2) あの時は(笑う→   )(過ぎる→    )せいで、お腹が(痛い→  )なったよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) せず/ばかり(→文型362)/と(→文型203) 2) 聞かれ(受身:~から~られる)/ぬ/ぬ(慣用語「知らぬ存ぜぬ」) 123 (せめて)~だけでも(いいから)/   (せめて)~なりとも せめて 名詞・数量詞  : ×  +  だけでも      ・     これ・それ・あれ : ×  だけでもいいから     名詞+格助詞   : ×     なりとも     ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子: ひとかけらの誠意なりとも見せてくれていれば、こんなに頭に来ないんだけど、「一度ご使用になられたものは、お取り替えできません」の一点張りなの。 李 :せめて修理だけでもしてくれてもいいのになあ。それにしても、履いて一週間でかかとが折れるハイヒールなんて、粗悪品そのものだね。 ♯ 解説 ♭  「せめて~なりとも」は 最低限の条件を取り上げて「せめて~だけでもいいから」の意味を表し、文末では「~てください」「~たい」などの依頼や希望の表現と呼応します。   人目なりとも(・だけでも)会いたい。   お顔なりとも(・だけでも)拝見したい  しかし、「なりとも」には副助詞「~でも」に相当する表現があり、この場合は「~だけでも」が使えません。この「なり/なりと(も)」(→文型280・281)で別に取り上げています。   一円なりとも(=でも)無駄に使ってはいけない。   どこへなりとも(=でも)あなたについて行きます
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