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日本語表現文型辞典 [ナ行]-1

254 ~ないかなあ/~といいなあ/~たらなあ 動詞・形容詞:ない形<ナ形ーでない>  +  かなあ 動詞・形容詞:原形<ナ形ーだ>     +  と(いい)なあ 動詞・形容詞:た形<ナ形ーだった>   +  ら(いい)なあ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:この夏に、南の島に遊びに行けたらいいなあ!バリ島だとか海南島だとか。でも先立つものがないわね。 李 :業績は文句ないんだから、ボーナスを大盤振る舞いしてくれるといいんだがなあ! 良子:あなた、組合の執行委員でしょ。もっと組合幹部らしく戦う姿勢を示してくれないかなあ。 ♯ 解説 ♭  「~と(いい)なあ/~たら(いい)なあ」も「~ないかなあ」も感嘆を込めた願望の表現を作ります。願望の表現は他にも「~たいなあ/~ほしいなあ」などいろいろありますので、以下の例文を参照してください。なお、「~なあ」は感嘆・詠嘆の感情を表す終助詞です。   早く試験が 終わってほしいなあ         終わらないかなあ         終わるといいなあ         終わったらいいなあ         終わったらいいがなあ § 例文 § 1.もうちょっと、値段が安くならないかなあ。ねえ、サービスしてよ。 2.一億円とは言わないが、せめて百万円でもいいから、宝くじが当たらないかなあ。 3.一戸建ての家とまでは言わないが、せめて、中古マンションでも買えるといいなあ。 4.しばらく彼とは会っていないが、元気だといいがなあ。 5.もう一度、人生を一からやり直せたらいいなあ。 ★ 例題 ★ 1) 「苦労し(ないで/なくて)、金が(儲ける/儲かる)方法がないかなあ」「あったら僕が(教えてほしい/教えたい)よ」 2) (暑い→    )たまらない。(早い→   )秋に(なる→    )らいいのになあ。 (^^)前課の解答(^^) 1) させる(使役文)/となると/嫌がる(三人称の感情:「~がる」) 2) を(~をもってしても→文型480)/治せない/なる 255 *~ないことには 名詞    :    でない    + ことには ~ ない 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:片ひじをついて食事をしては駄目。それからお味噌汁のお椀は、ちゃんと左手でもって。 小平:昨日、パパだって同じことしてたよ。ママってパパにだけは甘いんだぁ。 良子:パパに協力してもらわないことには、小平のしつけもできないわ。帰ってきたら言わなきゃ。 ♯ 解説 ♭  「~ないことには~ない」は「もし~なければ、~ ない」という意味を表し、文末では「~(ら)れない」(可能形の否定)や、よくない事態が起こる可能性を意味する「~する恐れがある」(→文型020)や「~兼ねない」(→文型043)などと呼応します。「~しなければ不可能だ」「~しなければ悪い結果となる」という恐れ・心配の感情が強く現れる表現です。  注意してほしいのは、「~なければ」はどんな場合でも使えますが、「~ないことには」は否定判断を表すことができるだけで、文末で肯定表現や「~つもりだ/~なければならない」などの意志表現ができないことです。   急がなければ(×ないことには)、もう少しここでゆっくりしませんか。   急がなければ(・ ないことには)、間に合わなくなる。 § 例文 § 1.急がないことには、終電に間に合わなくなる。 2.勉強にせよ、クラブ活動にせよ、楽しくないことには子供たちはついてきてくれませんよ。 3.この食中毒の原因が何かは、専門家でないことにはわからないでしょう。 4.実際に見て確かめないことには、真偽のほどはわからない。 5.精密検査をしてみないことには、悪性腫瘍かどうかの判断はつかない。 ★ 例題 ★ 1) 今ここ(で/に)手を打って(おく/おかない)ことには、事態はもっと悪化する(はずだ/に違いない)。 2) 実際に暮らし(てみる→   )ことには、その国の(いい→   )も(悪い→    )もわからない。 (^^)前課の解答(^^) 1) ないで(→文型257)/儲かる(自V)/教えてほしい 2) 暑くて(→文型183)/早く(イ形の連用形)/なった 256 *~ないことはない 名詞    :    でない     +  ことはない 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない>    こともない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :ドリアンは食べられないことはないけど,あまり口に合わないな。どちらかと言えばマンゴの方がいいよ。 良子:店先に並んでいると、どちらにしようか迷わないこともないけど、私はドリアンを買ってしまうわ。 李 :いずれにしたって、たまに食べるからおいしいので、しょっちゅうだと飽きちゃうね。 ♯ 解説 ♭  多くは「~ないことはないが、~」の形で使われ、「~ことは否定しないが、いろいろ問題が残されている」という意味を表します。これは一種の断定を避けた婉曲表現と言えるでしょう。形から言うと、「AことはA」(→文型092)と次のような関係があります。→例題1)   おいしいことはおいしい → おいしくないことはない   きれいなことはきれいだ → きれいでないことはない   食べることは食べる   → 食べないことはない § 例文 § 1.その価格なら、買えないこともない。 2.納豆は食べられないことはないんですが、あまりおいしいとは思いませんねえ。 3.行ってみたくないこともないが、お金を払ってまで行きたいとは思わないねえ。 4.やってやれないことはありませんが、あまり気が進みません。 5.君に協力しないこともないが、ただし、いくつか条件がある。 ★ 例題 ★ 1) (確か/確かに)彼女は歌唱力が(ある/ない)ことはあるが、大衆受けするかどうか不安が(ある/ない)こともない。 2) 子供の成長はうれしい( )はうれしい( )、親離れする姿を見て、(寂しい→     )こともない。 (^^)前課の解答(^^) 1) で/おかない/に違いない(→文型305/「はず」は期待→文型367) 2) てみない/よさ(イ形→N)/悪さ(イ形→N) 257 *~ないで/*~なくて/*~ず(に) 動詞:[ない]形  +  ないで              なくて              ず(に) (注:「する→せず/来る→こず」となる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :せめて一ヶ月、何も考えず、何もせず、ただぼんやりと過ごせたらいいなあ。 良子:老人ホームでの話しだけど、お年寄り達が「ここの暮らしは衣食住には困らないが、何の生き甲斐も見いだせなくて、それが死ぬより辛い」と口々に言ってたわ。 李 :う~ん、考えさせられる話しだなあ。 ♯ 解説 ♭  日本語の動詞の否定形は「~ないで」と「~なくて」の二つの形があります。そして、「~ずに」(→文型121)は「~ないで」に相当します。  日本語の「て形」を意味から見ると、「~、そして~」(並立)、「~、それから、~」(順序)、「~、それで~」(理由)の大きく三つに分かれますが、「~、そして~」と「~、それから、~」に対応するのが「~ないで=~ずに」、「~、それで~」に対応するのが「~なくて」と言えるでしょう。この「~なくて」は状態や感情の自然発生を表す「~て」系の理由表現(→資料、)なので、文末で「~つもりだ/~たい」などの意志表現が使えません。→例題1)2)   朝御飯を 食べないで、会社に行った。 <それから:順序>        食べなくて、困っている。  <それで:理由> § 例文 § 1.雨が降っているのに、傘もささないで(⇔ずに/×なくて)歩いている。 2.これぐらいのことで挫けたりしないで(⇔せずに/×しなくて)、さあ、元気を出して。 3.彼は脇目もふらず(⇔ないで/×なくて)、勉強に打ち込んだ。 4.アルバイトが見つからなくて(×ないで)困っている。 5.そうしたい気持ちは山々ですが、市の予算が足りなくて(×ないで)、そこまで手が回らないんです。 ★ 例題 ★ 1) 夜遅い(のに/けれど)、いくら待っ(たら/ても)娘からの連絡が(ないで/なくて)、心配している。 2) 大学( )卒業しても、定職にも(つく→  )ずに遊んでいる青年達が最近(増える→    )きた。 (^^)前課の解答(^^) 1) 確かに(「確か」は推量)/ある(→文型092)/ない 2) に(「~には~が、~」→文型092)/が/寂しくない 258 *~ないでいる/*~ずにいる 動詞:[ない]形  +  ないでいる             ずにいる             ないでおる              ずにおる -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :山田、お前もそろそろ潮時じゃないか。いつまでも結論を出さずにいると、彼女に逃げられちゃうぞ。 真理:そうよ、思い切ってプロポーズしなさいよ。 山田:僕の給料でやっていけるかどうかって、どうしても踏ん切りがつかないでいるんだ。 李 :「案ずるより生むが易し」さ。なんとかなるものさ。 ♯ 解説 ♭  「~ないでいる/~ずにいる」は、「~しない状態を続ける」という意味を表します。ここでは例文5の「~ておる」について説明します。この「~ておる」は「~ております」の形で使われるときは、丁寧な謙遜語になります。しかし、そのまま「~ておる」の形で使うと、目上の人が目下の人に対して使う尊大語となります。これは「~ないでおる」のように「ない形」と結びついたときも同じです。ですから、みなさんは「~ております」だけ使うようにした方がいいでしょう。   はい、知っています。 (普通)   はい、知っております。(丁寧)   ああ、知っておる。  (尊大) § 例文 § 1.そんなに食べないでいると、体を壊してしまうよ。 2.はい、息を止めて。そのまま動かないでいてください。  はい、終わりました。(レントゲン検査) 3.今日述べたことは、努々、忘れずにいてほしい。 4.どうやらスランプのようで、アイディアも浮かばず、筆も進まず、何も書けずにいるんです。 5.伝統工芸の火を絶やさずにおるには、どうしても後継者養成のための国の援助を必要としておる。 ★ 例題 ★ 1) 悩みを胸に(しまう/しまった)まま、口に(出して/出さずに)いると、かえって辛くなる(ことだ/ものだ)よ。 2) 今まで君には(話す→    )でいたんだが、実は今年( )会社( )辞める予定なんだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) のに(理由の逆説)/ても(条件の逆説)/なくて(理由) 2) を/つか/増えて(変化→文型181) 259 ~ないでおく/~ずにおく/~ずにある 動詞:[ない]形  +  ないでおく  ・              ずにおく              ずにある    ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:ね、この話、佐藤さんにはまだ言わないでおいてね。びっくりさせてやりたいの。 李 :それはいいけど。でも、君のうきうきした態度を見たら、彼だって気づかずにはいないよ。 真理:でも、妊娠したなんて言うと、また彼のことだから、大騒ぎするに決まっているもの。 ♯ 解説 ♭  「~ないでおく/~ずにおく」は動詞の「ない形」と「~ておく」(→資料。)が結びついた文型で、「意図的に~しないでそのままの状態にしておく」という意味を表します。  なお、現在口語ではあまり使われなくなりましたが、例文3、4のように「~てある」と動詞の「ない形」が結びついた「~ずにある」文型があり、「まだ~しない状態が続いている」という意味を表します。これらの文型は「~ている/~ておく/~てある」の用法と不可分なので、資料。を参照してください。 § 例文 § 1.この机の上は、このまま触らずにおいてくれ。 2.このことは、君が成人するまで知らせないでおくつもりだったんだが、この際だから話そう。 3.私が困っているときは助けずにおいて、自分が困ったら助けてくれとは、ちょっと虫が良すぎないか。 4.彼女に何度も恋文を書いたが、どれも出さずにある。 5.学生時代に思い描いた夢は、今も変わらずにある。 ★ 例題 ★ 1) 外国語は使わない(でいる/でおく)と忘れる(こと/もの)だから、忘れない(である/でおく)には、少しずつでもその言葉に触れておく(こと/もの)だ。 2) まもなく息子も(帰る→    )来るし、鍵は(かける→     )(おく→   )たって大丈夫だよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) しまった(~まま→文型406)/出さずに/ものだ(→文型420) 2) 話さない/で(期限)/を 260 ~ないで済む/~ずに済む/~なしで済む 名詞: ×     +  なしで済む 動詞:[ない]形  +  ないで済む             ずに済む -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:私が頭を下げて済むなら、この頭、何度下げてもかまわないが、今度ばかりはそれで済みそうにない。 課長:先方は、そんなに態度を硬化させているのですか。 部長:ああ、ことによったら裁判ざたにもなり兼ねない。 李 :なんとか穏便に済ませる方法はないのでしょうか。 課長:せめて訴訟にならずに済めばいいのだが。 ♯ 解説 ♭  この「済む」という動詞は、「終わる・完了する」という意味の他に、「足りる・解決する」という意味も持っています。後者の意味で使われるのが「~ないで済む/~ずに済む/~なしで済む」で、「~なくても問題はない」「~なくても足りる」という意味を表します。  「~て済む/~で済む」(→文型185)の項も併せて参照してください。 § 例文 § 1.駐車違反で散々しぼられたが、罰金なしで済んだ。 2.今年は暖冬で、ストーブなしで済みました。 3.けがも軽くて済み、大事に至らずに済んだのは何よりでした。 4.これほどの不始末をしでかしながら、首にならないで済んだだけでもありがたいと思え。 5.自ら望んで引き受けたことではないし、やらずに済むなら、それに越したことはない。 ★ 例題 ★ 1) 検査の(結果/始末)、軽い胃潰瘍とわかったので、どうやら手術(なしで/ないで)(済む/済み)そうだ。 2) 日頃から復習( )( )していれば、試験の前になって(慌てる→ )ずに済む( )( )を。 (^^)前課の解答(^^) 1) でいる/もの(→文型420)/でおく/こと(→文型084) 2) 帰って/かけないで(「かけずに」も可)/おい(~ても=たって) 261 *~ないではいられない/*~ずにはいられない 動詞:[ない]形  +  ないで(は)いられない             ずに(は)いられない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:ねえ、私たちの老後、どうなるのかしら?年金もどうなるかわからないし、心配せずにいられないわ。 李 :取り越し苦労はしない方がいいよ。 佐藤:とは言っても、ある程度蓄えがないと、いざというとき困るからね。ところで、この長者番付を見たかい?この世の不公平を恨まないではいられなくなるよ。 ♯ 解説 ♭  「~ないではいられない/~ずにはいられない」は「~ないでいる/~ずにいる」の可能形(否定)が使われて、「自分の心が抑制できず、自然にそうなってしまう」という意味を表しています。文法的には自発・自然の文型に属しますが、「~てはいられない」(→文型191)も併せて参照してください。  なお、「~ざるを得ない」(→文型106)も自発・自然の感情を表すことがありますが、「そうしたくないが、そうなってしまう」という不本意の意味を表しています。一方、「~ずにはいられない」は自然にわき上がる感情です。   彼に対しては    不信感を抱かずにはいられない。    不信感を抱かざるを得ない。 § 例文 § 1.亡くなった妻のことを思い出さずにはいられない。 2.彼は一旦思い立ったら、すぐにせずにはいられない性分だ。 3.たまには仕事を忘れて、のんびり息抜きをしないではいられないですよ。 4.私の著作を改ざんし、自分の名前で発表するなんて、これが怒らずにいられましょうか。 5.赤提灯の灯を見ると、飲まないではいられなくなって、  足が勝手に動き出すんです。 ★ 例題 ★ 1) 盲目(ながら/つつ)も東大(を/に)合格した彼に、私は感動を覚えずには(いられなかった/おかなかった)。 2) 悪いこととは(知る→    )つつ、娘の日記を(読む→   )ないでは(いる→    )なかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) 結果/なしで(N+なしで)/済み(様態の「~そうだ」) 2) さえ(→文型101)/慌て/もの(~ば~ものを→文型426) 262 *~ないではおかない/*~ずにはおかない 動詞:[ない]形  +  ないではおかない              ずにはおかない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:お隣の奥さんって凄いわよ。小二の子どもを毎晩十時まで勉強させないではおかないらしいのよ。 李 :お前だって大したものさ。毎晩疲れて帰って来る俺に、家事を手伝わせずにはおかないじやないか。 良子:もしそんなことを外で言ったら、ただじゃおかないわよ。帰って来る家はないと思いなさい。 ♯ 解説 ♭  「~ないではおかない/~ずにはおかない」は動作動詞に付くと、例文1、2のように「~しなければ、自分の気が済まない/必ず~てやる」という強い決意を表します。また、心理・感情を表す動詞に付くと、例文3~5のように「必然的に/思わず~させてしまう」という自然・自発の感情を表します。  この文型は動詞の使役形と結びつくことも多く、強制的に或いは自然にある状況・心理状態に追い込むことを表します。その場合、「~ないではいられない/~ずにはいられない」(→文型261)と主語が好対照の文型になります。   その映画は私を感動させずにはおかなかった。(映画は・私)   私はその映画に感動せずにはいられなかった。(私は・映画) § 例文 § 1.あいつは生意気な奴だ。一度、あいつの鼻っ柱をへし折ってやらないではおかない。 2.彼らがこのような内政干渉をつづけるなら、我々はいかなる手段をもってしても、撃退せずにはおかない。 3.大臣のその一言は、波紋を呼ばずにはおかなかった。 4.彼の言動は、私を不安にさせずにはおかなかった。 5.その子の学校に対する抗議自殺は、大人達を反省させずにはおかなかった。 ★ 例題 ★ 1) A紙が我々に根も葉もない中傷を加えた(以上/からこそ)、謝罪(しない/させない)では(いられない/おかない)。 2) 彼女の献身的( )母親を看護する姿は、見る人を(感動する→    )ずには(おく→     )。 (^^)前課の解答(^^) 1) ながら(逆説→文型270)/に/いられなかった 2) 知り(逆説の「~つつ」→文型169)/読ま/いられ 263 ~ないでは済まない/~ずには済まない/~なしでは済まない 動詞:[ない]形 +  ないでは済まない             ずには済まない 名詞:  ×    +  なしでは済まない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:この前の約束、どうしたの。私、ずっと待っていたのよ。一杯おごっていただかないでは済まないわよ。 山田:あーあ、会社でも失敗しちゃって、始末書なしでは済まないだろうっていうのに・・・。 李 :お前、厄年じゃないのか。どうだい今晩あたり、厄払いに一杯。 ♯ 解説 ♭  「~ないでは済まない/~ずには済まない/~なしでは済まない」は、どれも「~しなければ、問題は解決しない」「~しなければ、許されない」という意味を表します。「~なければならない」と基本的には同じ意味と考えていいでしょう。  類義文型に「~ざるを得ない」(→文型106)がありますが、意味上次のような違いが生じます。   謝らないでは済まない ≒ 謝らなければならない   謝らざるを得ない   ≒ 謝るしかない § 例文 § 1.このことは、君が直接、彼に謝らないでは済まないぞ。 2.人から借りた金を、返せないでは済まないよ。 3.これだけの被害者を出したとあっては、刑事責任を問われずには済まないだろう。 4.潔く自分の非を認めなさい。知らぬ存ぜぬでは済まされない。 5.君も料理人の端くれなんだから、客から注文された品を作れませんでは済まないよ。 ★ 例題 ★ 1) どこかで妥協(する/しない)ことには、交渉は決裂(せずには済まない/せざるを得ない)。円満解決にはこちらも一歩譲歩せずには(済むまい/いられまい)。 2) 部下の失敗で(ある→    )と、上司としての君が責任を(問われる→   )には(済む→   )よ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 以上(=からには→文型009)/させない/おかない 2) に(「~的」はナ形)/感動させ/おかなかった 264 ~ないとも限らない 名詞    :    でない     +   とも限らない 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:小平のことだけど、この成績では公立高校の入試に失敗しないとも限らないって、先生から言われたの。 李 :滑りどめに、私立も受けておいた方が良さそうだなあ。しかし私立に行くとなると、お金もかかるなあ。 良子:それで当たらないとも限らないと思って、宝くじ十枚買ってみたんだけど・・・。 ♯ 解説 ♭  「~ないとも限らない」は「もしかしたら~かもしれない」と同じ意味ですが、「そうなる可能性はとても低いが、しかし~」という懐疑的語感を持つ表現です。よくない事態の発生の可能性を述べるときは、ほぼ「~恐れがある」(→文型020)や「~兼ねない」(→文型043)と同義語となりますが、接続には注意しましょう。   失敗しないとも限らない。(ない形+)≒ 失敗する恐れがある。  (原形+)≒ 失敗し兼ねない。    ([ます]形+) § 例文 § 1.滅多なことを言うと、やぶ蛇にならないとも限らない。 2.いつ何が起こらないとも限らないから、生命保険には入っておいた方がいい。 3.他社に知られないとも限らない。このことは内密に進めよう。 4.このまま円安を放置しておくと、最悪の事態にならないとも限らない。 5.一見ピンチに見える中に、チャンスが潜んでいないとも限らない。「災いを転じて福となす」って言うだろ? ★ 例題 ★ 1) A国・B国(と/に)続く核実験で、世界は再び核軍拡(に/を)(走る/走らない)とも限らない。 2) 火事に(なる→     )とも限らないから、ストーブは(つける→   )っ放し( )しないでね。 (^^)前課の解答(^^) 1) しない(→文型255)/せざるを得ない(→文型106)/済むまい 2) あろう(~(よ)うと→文型437)/問われず/済まない 265 ~ないまでも 名詞    : でない      +  までも 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :若手歌手の中で最高だとまでは言わないまでも、この歌手はかなりいい線いってると思うな。 山田:CDを買い込むほど熱を上げているとは知らなかったよ。気だけはまだ若いんだね。 李 :「気だけは」とは失敬な奴だなあ。頭にはこないまでも、気分を害したよ。 ♯ 解説 ♭  「~ないまでも」は「その程度までに達していなくても」という意味を表す逆接表現になります。文脈によって、例文1~3のように、「~ないけれども、かなり~だ」を意味を表したり、例文4、5のように「~なくても、せめて~」を表したりします。後者の場合、文末には「~たい/~てください/~てほしい/~たらどうですか/~なさい」などの希望や要求の表現が多く現れます。  その他、「~とは言わないまでも」の形が多く使われますが、「~とまでは言えないが/~とまでは行かないが」(→文型246)と類義表現になります。 § 例文 § 1.十分とは言えないないまでも、あなたにはそれ相当のお礼をしたつもりです。 2.美人とは言わないまでも、チャーミングな娘さんだ。 3.彼が首謀者であることは断定できないまでも、十中八九間違いはない。 4.全額でないまでも、せめて利子ぐらいは払ってくれ。 5.勝てないまでも、一発殴り返してやらねば気が収まらなかったんだ。 ★ 例題 ★ 1) 毎日とは(言う/言わない)までも、週(で/に)一回(ほど/ぐらい)は掃除をしなさい。 2) A君、静かに!真面目( )授業を(受ける→    )までも、回りの学生の邪魔だけは(する→   )な。 (^^)前課の解答(^^) 1) と{「と」はそれで全て、「に」は更に添加)/に/走らない 2) ならない/つけ(~っ放し→文型173)/に(N+にする) 266 ~ないものでもない 動詞:ない形  + ものでもない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :駅の付近で、歩きながらたばこを吸う人が多いね。 山田:僕たち愛煙家には、長い通勤時間の間ずっとタバコが吸えないというのは、死ぬほど辛いものなんだ。駅構内も至る所が禁煙ときているときているからねえ。 李 :同情できないものでもないけど、嫌煙権は時代の流れだよ。それに吸いがらのポイ捨てはよくないね。 ♯ 解説 ♭  「~ないものでもない」は婉曲表現で、漠然とした可能性を表し、文脈によって「状況によっては~そうなるかもしれない/そうしてもいい」などの意味を表します。意味は「~ないこともない」と共通していますが、「こと」は自分に属する個別的・内在的事態で、「もの」は自分の外に存在する一般的・外在的事態ですから、下の例では理由が自分自身にあるのか、周囲の事情にあるのかの違いが生じます。→例題1)   歌わないこともないが、僕は歌が下手だから <個人的理由>   歌わないものでもないが、周りに迷惑だから <周囲の事情> § 例文 § 1.どうしてもとおっしゃるなら、やらないものでもありませんが、もっと適任者がいるんじゃないでしょうか。 2.食事だけなら、つき合ってあげないものでもないわ。 3.その子が置かれた家庭環境を考えれば、非行に走ったのも理解できないものでもない。 4.相手に譲歩する気があれば、再交渉に応じないものでもない。 5.それは手に入らないものでもないが、非売品だから入手するには困難が伴うよ。 ★ 例題 ★ 1) それ相当の報酬(すら/さえ)払って(くれれ/あげれ)ば、引き受けない(こと/もの)でもないんだが。 2) 頑張れば家が(買える→    )ものでもない( )、ローンに(追う→    )生活はまっぴらだね。 (^^)前課の解答(^^) 1) 言わない/に(割合の「に」)/ぐらい(最低限→文型072) 2) に(ナ形)/受けない/する(禁止命令:V原形+な) 267 ~ないものはない/~ない<名詞>はない 名詞    : でない         + ものはない 動詞・形容詞:ない形 <ナ形ーでない>    名詞 + はない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :鯨を一度食べてみたいなあ。 良子:子どもの頃はまだ食卓に上っていたけど、今じゃ専門店でしか食べられないわ。頭のてっぺんから尻尾の先まで、利用できないものはないらしいわよ。 李 :人間が食べないものはないみたいだね。広東では、四つ足はテーブル以外何でも食べるなんて言うよ。 ♯ 解説 ♭  「~ないものはない/~ない<名詞>はない」は二重否定になっていて、「全て~できる/ある/である」を意味する強調表現になります。「~ない<名詞>は<何一つ/誰一人/一時も・・・>ない/いない」などの形が多いでしょう。そして、「できないものはない」は「何でもできる」よりも、はるかに強い語感になります。   知らない漢字はない ≧ 漢字は全て知っている § 例文 § 1.およそ薬と名の付くもので、危険でないものはない。 2.秋葉原に行けば、電気製品で手に入らないものはないと言っていいだろう。 3.この世に自然の創造物でないものは何ひとつとしてない。 4.知らない漢字はないと彼は豪語しているが、果たして本当かなあ? 5.自分の子どもが可愛くない親など誰一人としていない。 ★ 例題 ★ 1) 彼は温泉好きで、日本の温泉(で/に)行ったことが(ある/ない)(もの/ところ)はないと自慢していた。 2) 中華料理( )(食べられる→      )ものはないが、あの蛇料理だけは、ちょっと食べるの( )勇気が要った。 (^^)前課の解答(^^) 1) さえ(「~すら~ば」の形はない→文型101)/くれれ/もの 2) 買えない/が(逆説)/追われる 268 ~直す/~返す 動詞:[ます]形  +  直す  ・              返す   ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :もう一度生まれ直せるなら、どちらになりたい?女それとも男? 良子:また女に生まれて、あなたと結婚したいわ。 李 :やけにうれしいことを言ってくれるなあ。小平は? 小平:男でも女でもいいけど、試験のない国に生まれたい。   こんな毎日をまた繰り返すかと思うとぞっとするよ。 ♯ 解説 ♭  「~直す」は例文1~3のように、一度した行為の結果に間違いや不満な点があり、正しい状態に改善・修正することです。一方、「~返す」は例文4、5のように、逆方向・元の状態に戻す反転行為が主たる用法です。例えば「読み返す」は読む行為の繰り返すだけですが、「読み直す」は分からないところがあったのでもう一度考えながら読むと言う意味の違いとなります。下の例もかなり大きな意味上の違いが生じる例です。→例題1)   私は言い直した。<発言訂正>   私は相手に言い返した。<反論> § 例文 § 1.この番組は生放送ですから、やり直しがききません。 2.ほう、もう英語で手紙が書けるのか。ちょっと見直したねえ。(「見直す」には慣用的意味もある) 3.顔を洗って出直してこい。 4.もう死んだかと思っていたら、息を吹き返した。 5.やられたら、やり返せ。殴られたら、殴り返せ。「目には目を、歯には歯を」だ。 ★ 例題 ★ 1) 「もう一度、計画を(立て/立てる)(返そう/直そう)じゃないか」「うん、そうする(だけ/しかない)な」 2) この作文は間違いが(多い→   )過ぎて、これでは(直す →    )ようもない。もう一度、(書く→   )直して来なさい。 (^^)前課の解答(^^) 1) で(範囲限定)/ない/ところ 2) で(範囲限定)/食べられない/に(目的・場合→文型336) 269 *~ながら ・/~ながらに/~ながらの 名詞: ×   +  ながら 動詞:[ます]形     ながらに              ながらの+名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小学生達が「今日は塾はやめて、ゲームセンターに行こうよ」って笑いながら話し合ってるのを聞いたよ。 良子:共働きしながら、ようやくの思いで子どもを塾に通わせてる御両親もいらっしゃるのでしょうにね。 李 :「親の心、子知らず」ってよく言われるけど、いつものことながら、親子関係は難しいと思うなあ。 ♯ 解説 ♭  「AながらB」は、ABのどちらもが動作性の動詞のときは同時進行の並行動作を表します。この「~ながら」は「~つつ」(→文型169)を使うことができます。   テレビを見ながら〔・見つつ)、ご飯を食べている。  それ以外に、「~ながら(に)/~ながらのN」の形で主に名詞や一部の動詞にもついて、「Aのままの状態でB」を表すことがあり、この場合、前件Aが後件Bが起こったときの状態・状況説明となっています。この「~ながら」は「生まれながらに/涙ながらに/昔ながらの/いつもながら/生きながらに」などですが、慣用表現として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.あなた、食事をしながら新聞を読むのはやめて。 2.ゴーと音をたてながら、電車が通り過ぎて行った。 3.彼は生まれながらに目が見えなかったが、世界でも指折りのギター奏者となった。 4.いつもながらの鮮やかなお手並みですなあ。 5.昔、王が死んだとき、多くの奴隷たちや妻たちは生きながらに葬られたと言う。 ★ 例題 ★ 1) 中国残留孤児の方々が、日本の土を踏んだ喜びを涙(つつ/ながら)に語っていた。それを(見ると/見て)、 私は涙を禁じ(得た/得なかった)。 2) そのボクサーは、何度( )挫折から(はう→   )上がる→   )ながら、ついにチャンピオンの座を手にした。 (^^)前課の解答(^^) 1) 立て/直そう(~(よ)うじゃないか→文型440)/しかない 2) 多(→文型117)/直し(~ようがない→文型435)/書き 270 *~ながら(も) 名詞 : ×       +  ながら(も ) 動詞 :[ます]形/ない形 形容詞:普通形 <ナ形ー×> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :会社で人からかかあ天下と笑われながらも、これでようやく俺も一国一城の主になれたぞ。 良子:女の子がもう一人ほしいし、毎月のローンも大変なんだから、これからも節約節約よ。 李 :念願のマイホームを手に入れたのはうれしいことながら、ローンのことを考えると先が思いやられるよ。 ♯ 解説 ♭  この「~ながら」は各種の語について「~けれども、同時に~」や「~のに」に相当する逆説表現を作ります。状態動詞(「ある/いる/できる/わかる/要る」)や名詞・形容詞や動詞の「ない形」につくもののは、ほとんど逆説の用法になると考えていいでしょう。しかし、動作動詞につくときは、同時並行の「~ながら」か、逆説の「~ながら」か文脈から理解する必要があります。   ビールを飲みながら、テレビを見ている。      <平行動作>   一人で10本もビールを飲みながら、まだ注文している。<逆説>  注意してほしいのは、動詞の[ます]形につくときは「~つつ」が使えますが、「~つつ」は動詞の「ない形」や名詞・形容詞とは接続できないことです。→例題1) § 例文 § 1.こんな失敗をするなんて、我ながら情けなくなる。 2.「狭いながらも楽しいわが家」って歌があったね。 3.親に勧められ、嫌々ながらおつきあいを始めた方でしたが、知らず知らずのうちに好きになっていました。 4.及ばずながら、私でよければお力になりましょう。 5.不自由な体ながらも、一生懸命に生きていこうとしている彼女の姿に、私は感動を覚えた。 ★ 例題 ★ 1) 私があなたにし(てあげられる/てもらえる)ことは、残念(ながら/つつ)、ここ(まで/から)です。 2) 公務員で(ある→    )ながら、企業からの高額接待を受け、しかもそのお返しに情報を提供するような( )( )が許されていい( )( )か。 (^^)前課の解答(^^) 1) ながら/見て(原因・理由)/得なかった(→文型464) 2) も/はい(→文型003)/上がり 271 *~なければならない/*~なくてはならない 名詞・ナ形容詞:で<ナ形ーで>  +  なければならない 動詞・イ形容詞:[ない]形        なくてはならない                      なければいけない                      なくてはいけない (注:口語形は「~なければ→~なきゃ」「~なくては→なくちゃ」) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :つき合いたいんだけど、今日は結婚記念日だから、早く帰らなくちゃならないんだ。 山田:今日おごるつもりだったけど、それじゃ仕方ないな。 李 :えっ?おごる?だったら一時間ぐらいつき合うよ。 山田:駄目駄目、君は帰らなくちゃいけないよ。僕のせいで家庭争議なんてことになると困るからね。 ♯ 解説 ♭  「~なければならない/~なくてはならない」は周囲の事情や、法律・規則などの外在条件から下す判断です。名詞や形容詞または状態性の動詞と結びつくときは当然・必要・必然を表し、動作性の動詞と結びつく場合は義務や責任を表します。  一方、「~なければいけない/~なくてはいけない」は、自分の責任で判断し、相手に要求する表現で、意味上は命令の「~しなさい」に近い表現になります。  注意してほしいのは、自分がしなければならないことや、自分自身に言い聞かせるときは、この「~なければならない/~なくてはならない」を使わなければならないことです。なお、「~なきゃならない/~なくちゃならない」と「~なきゃいけない/~なくちゃいけない」は口語、「~ねばならぬ」(→文型353)は書面語です。 § 例文 § 1.男は男らしくなければならず、女は女らしくなければならぬと言われてきた。 2.裁判所は国家権力から独立し、政治に対しては中立でなければならない。 3.政府は国民の福祉に貢献しなければならぬ存在だ。 4.一平、もう遅いし、早く寝なきゃいけないよ。 5.お父さんが入院したんだって?こんなときこそ、長男の君がしっかりしなくちゃいけないよ。 ★ 例題 ★ 1) 人がしている(からには/からって)、君がそうし(ては/なくては)ならないってことは(ある/ない)よ。 2) (守る→   )なければならないよき伝統( )( )も、旧悪として断罪する風潮には(賛成する→    )兼ねる。 (^^)前課の解答(^^) 1) てあげられる/ながら/まで(これだけ=ここまで) 2) あり/こと/もの(反語「~ものか」→文型417) 272 ~なしに/~なくして/~なしには~ない 名詞: ×  +  なしに           ・           なくして           なしには  ~ ない    ・           なくしては ~ ない (注:動詞の時は「~ことなしに/~ことなくして」等の形となる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小平を抱いてる時の君は、幸せそうな顔をしてるなあ。小平の寝顔を見ながら何を考えてるの? 良子:この子が大きな病気や事故なしに育ってほしいなあ、幸せな一生を送ってくれるといいなあなんて。 李 :そんなことを考えてるとは、想像すらしなかったよ。やはり母親の愛なしには子供は大きくなれないね。 ♯ 解説 ♭  「~なしに/~なくして/~なしには~ない」は通常は名詞に直接接続するのですが、たまに「~がなしには」や「~もなしに」の形が現れることもあります。動詞のときは例文5のように「~すること<なしに/なしには/なくして>」(→文型086)のように「こと」を使って名詞句を作れば使えます。  「~なしに」は「~しないで/~せずに」に相当し、文末で肯定表現と呼応します。「~なくして(は)/~なしには」は、どちらも「~しなければ」を相当し、文末で否定表現(ほとんどは可能形「~(ら)れない」)と呼応します。   許可なしに図書館の本を持ち出した。   許可なしには図書館の本を持ち出せない。 § 例文 § 1.災害は予告(も)なしにやってくる。 2.あなたなしには、私は生きてはいけません。 3.周到な準備なくして事を始めると、必ず失敗する。 4.経済的自立なしには、個人も、また国家の独立もあり得ない。 5.苦労することなしに金儲けをしようなんて、ちょっと虫が良すぎるんじゃないか。 ★ 例題 ★ 1) 皆様の御支援(ないで/なくして)、この厳しい選挙戦には勝ち(切れ/抜け/尽くせ)ません。皆様の(清き/清く)一票を是非とも私に。 2) 親(と言う→      )ども、断り(ない→   )に、僕の部屋 ( )入らないでくれ。 (^^)前課の解答(^^) 1) からって(=からと言って→文型053)/なくては/ない 2) 守ら/さえ(「まで」も可→文型100)/賛成し(→文型044) 273 *何故なら~からだ/*というのは~からだ 何故なら        名詞    :   だ       +   からだ 何故かと言うと      動詞・形容詞:普通形 <ナ形ーだ> 何故かと言えば ~ と言うのは       名詞    :   の       +   ためだ   どうしてかと言うと 動詞・形容詞:普通形 <ナ形ーな> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :君のパソコン嫌いは、最初につまずいたからだと思うな。教えてやるから、一から勉強し直さないかい? 良子:遠慮しとくわ。夫婦で教え合うのは難しいわ。何故かというと、お互いに遠慮がないからよ。 李 :君にはインターネットをマスターしてほしいんだ。というのも世界がパッと広がるからさ。 ♯ 解説 ♭  これらは先に事実を述べて、その後で理由を述べる表現です。「なぜなら~からだ」は硬い学術的表現で、「なぜかというと/どうしてかというと~からだ」も何か重大な出来事の理由説明に使われますから、日常会話では「それは/というのは~からだ」を使うといいでしょう。   今お金がない。というのは(・それは/?何故かというと)給料前だからだ。  また、「~からだ」のかわりに、理由の「~ためだ」(→文型152)が使われることもありますが、「~ためだ」は客観的に因果関係を述べる文型ですから、新聞や報道で使われることが多くなります。 § 例文 § 1.今度の会議には欠席させてもらう。というのは娘の結婚式とぶつかっているからなんだ。 2.日本経済は心配ない。何故なら製造業が健在だからだ。 3.やりたいことをやれ。何故なら人生は一度しかないからだ。 4.僕はこんなことではあきらめない。それというのも僕にはやり遂げる自信があるからだ。 5.そんなにがっかりすることはない。というのはチャンスはまた必ず巡ってくるからだ。 ★ 例題 ★ 1) 君は(行った/行かない)方がいい。それは相手が君と会うの(が/を)(嫌だ/嫌がっている)からだ。 2) この鉄道建設は(中断する→     )たままだ。というのも資金不足( )(陥る→     )からだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) なくして/抜け(→文型352)/清き(イ形の古い連体形) 2) と言え(~と言えども→文型216)/なしに/に 274 *~など/*~なんか/*~なんて 名詞・格助詞: ×  +  など               なんか               なんて 動詞・形容詞: ×  +  など               なんて -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:これ、女性ならではの斬新な提案だね。 真理:あら、ありがとう。お世辞でもそう言っていただけたらうれしいわ。もっとも、「豚もおだてりゃ木に登る」なんて言われそうだけど。 山田:おいおい、僕はお世辞なんか言ってないよ。ただ、会社が採用してくれるかどうか、話は別だけどね。 ♯ 解説 ♭  「~など」の口語形が「~なんか」「~なんて」と言うことができますが、「~なんか/~なんて」は相手や対象を軽視・軽蔑する感情、自分に対しては謙遜・自虐という感情が強く表れるのが特徴です。  用法から見てみると、前が名詞の時はどれも使えますが、動詞・形容詞の後には「~なんか」は使えません。また「~なんて」には「~など/なんか+格助詞(が/を/に/で/と/へ)」のように後ろに格助詞が来る用法がありません。また「~なんて」には「~なんて+名詞(人・こと・物)」の用法がありますが、「~など/~なんか」にはありません。→例題1)   お前なんか(・など/・ なんか)死んでしまえ!   重要な会議に遅刻するなんて(・など/×なんか)、許せない。   例えば、推理小説なんか(・など/×なんて)が好きですね。   田中さんなんて(×など/×なんか)人は知らない。 § 例文 § 1.ハワイやバリ島なんか(⇔など/×なんて)が、日本人に人気がありますね。 2.お歳暮には、例えばビール券なんか(⇔など/×なんて)を送ると喜ばれますよ。 3.学生が教師に対して暴力をふるうなんて(⇔など/×なんか)、もってのほかだ。 4.あなたの顔なんか(⇔など/なんて)見たくもないわ。 5.知らないなんて(×など/×なんか)ことは言わせないぞ。 ★ 例題 ★ 1) 「今まで嘘なんか(つく/ついた)ことが(ある/ない)」(なんか/なんて)嘘を平気でつく奴がいる。 2) 私なんて、どこ( )だっているよう( )平凡なただ( )サラリーマンに過ぎません。 (^^)前課の解答(^^) 1) 行かない/を/嫌がっている 2) 中断された/に/陥った 275 ~並/~並み 名詞: ×  +  並(だ/に/の+名詞)           並み(だ/に/の+名詞) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:大連で回転寿司を食べてみたいわ。香港で見たときも驚いたけど、味は日本並なのかしら? 李 :捨てたもんじゃないよ。お寿司は柔道並に国際化してるよ。日本の寿司職人が直接指導に当たったそうだが、先達には並々ならぬ苦労があったはずだよ。 良子:そういえば、カラオケも日本発の文化輸出ね。 ♯ 解説 ♭  「並」は例文1のように単独でも使われ、「普通の/平均的な」と言う意味を表しますし、「並みの」「並々ならぬ」「並外れた」などの慣用表現を持っています。  そこから名詞に直接接続する接尾語の用法が生まれ、「男並み/世間並み/人並み/課長並み/例年並み…」などのように、「~とほとんど同程度」という意味を表すようになります。注意するのは「十人並」と言う表現で、これは「普通の人と同程度」を表します。  これ以外に並んだ状態を表す場合があり、例としては「軒並み/家並み/歯並み」などですが、これらは前につく語が限られていますので、語彙として覚えた方がいいでしょう。 § 例文 § 1.彼の力は並外れて優れているというわけではない。言うならば十人並だね。 2.せめて人並みの生活がしたいものだ。 3.古代においては、奴隷たちは家畜並に扱われ、売買の対象でもあった。 4.月並みの表現で申し訳ありませんが、「過ぎたるは及ばざるが如し」です。 5.車両故障があったため、電車は軒並みに遅れている。 ★ 例題 ★ 1) この旅館は設備がいいとは(限らない/言えない)が、サービス(にかけては/にわたっては)一流旅館(的/並)だ。 2) 物の(豊かだ→    )という点( )( )言えば日本は先進国並になったと(言う→    )のですが、・・・。 (^^)前課の解答(^^) 1) ついた(~した・ことがある→文型080)/ない/なんて 2) に(~に~いる)/ような/の(ただのN=普通のN/平凡なN) 276 ~ならいざ知らず/~ならともかく 名詞・名詞句(ーの): × +  ならいざ知らず                 はいざ知らず                 ならともかく -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :中高生の言葉がよく聞き取れなくて。どこの国の人かなと思って聞いていたら、日本人だったりして。 良子:本人達はナウいと思ってるのよ。でも、小さい子供ならいざ知らず、舌足らずな話し方はいただけないわ。 李 :外国語ならともかく、母国語の発音は大切にしてほしいものだな。テレビの悪い影響かなあ。 ♯ 解説 ♭  「~ならいざ知らず/~はいざ知らず」は「~がどうかは知らないが/~の場合は可能かも知れないが」という意味を表し、後件ではそれと対立する事柄を述べます。この「なら」は「君はできる→君ならできる」のように強い「は」に相当する用法なので、「~ならいざ知らず」の方が「~はいざ知らず」より強い語調となります。  「~ならともかく」も「~の場合は別にして」という意味の用法があり、意味の違いはありますが、多くの場合、「~ ならいざしらず」と同じ文脈のなかで使うことができます。この文型については「~はともかく」(→文型371)を併せてご参照ください。 § 例文 § 1.専門家ならいざ知らず、素人ではこの機械を修理することはできないよ。 2.できないのならいざ知らず、できるのにしようとしない。 3.仙人ならいざ知らず、生身の人間が霞だけ食って生きていけるかい。きれいごともいい加減にしろ。 4.君ならともかく、僕はそんな愚かなまねはしないね。 5.子供ならともかく、今だに親のすねかじりとは・・・。 ★ 例題 ★ 1) 君自身が(やれる/やれない)ことならいざ知らず、自分がやれないことを人に(する/しろ)と言う(べきだ/べきではない)。 2) 外の人( )( )ともかく、親友( )信じてきた君にまで(裏切る→   )とは思ってもみなかった。 (^^)前課の解答(^^) 1) とは言えない(→文型244)/にかけては(→文型298)/並 2) 豊かさ(ナ形→N)/から(~から言えば→文型049)/言える 277 ~ならでは 名詞: ×  +  ならでは           ならではの + 名詞           ならではだ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 課長:今回の大売り出しのための品ぞろえは、当社ならではのものです。お客様の高い評価は間違いなしです。 部長:これだけ海外の有名ブランドが勢ぞろいするとは。国際化時代ならではのラインアップだ。 課長:やはり、李君ならではですよ。この企画を彼に任せた部長の人を見る目はさすがですね。 ♯ 解説 ♭  「~ならでは」は「~だけが持つ特有の」という意味を表し、必ず高い評価と賛嘆の言葉が続きます。文例とすれば「~ならではのN」の形が多いでしょう。この表現は「~でなければできない」や「~であってはじめてできる/~であってこそできる」を使うことができますが、「~ならでは」が一番よく使われています。   この店ならではの味  →この店特有の味  →この店でなければ出せない味  →この店であってはじめて出せる味  →この店であってこそ出せる味 § 例文 § 1.彼女にはベテランならではの演技力と華がある。 2.澄み切った海、潮の香り、南国の島ならではだねえ。 3.その店ならではの特徴と、きめ細かいサービスが競争に勝ち残るための決め手となるだろう。 4.札幌の雪祭りを見に行きましたが、北国ならではの風情がありました。 5.これだけ多彩な料理と豊かな風味が味わえるのは、中華料理の本場ならではですねえ。 ★ 例題 ★ 1) 郷土料理というのは、素朴ながら(も/に)、その土地(ならでは/ならこそ)の味わい(に/で)魅力がある。 2) う~ん、凄い。立体映像( )( )では( )迫力に体が(吸い込まれる→      )そうになったよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) やれる/しろ(命令形)/べきではない(→文型384) 2) なら/と(内容の取り上げ)/裏切られる(受身文:~を裏切る→) 278 ~ならまだしも/~からまだしも 名詞    :  ×        +  ならまだしも ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×> 名詞    :  だ        +  からまだしも ・ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーだ> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 係長:女のくせに、気がきかないなあ。忙しいのならまだしも、みんなにお茶の一杯ぐらい出したらどうだ。 百恵:女のくせになんていう言い方は、セクハラものですよ。セクハラ対策セミナーで習いませんでしたぁ? 係長:口だけは一人前だな。かわいげのない奴だ。 百恵:私だからまだしも、ほかの女性なら告訴しますよ。 ♯ 解説 ♭  「まだしも」は「(十分とは言えないが、)まだましだ/まだ少しはいい」という意味で、「~ならまだしも」は「~ならまだいいが、~/~なら、まだ許せるが、~」という意味の文型をつくります。  また、「まだしも」は「~からまだしも」のように「~から、まだよかったが、~」という意味の理由を表す文型も作りますが、これは「~からまだよかったようなものの、~」という連語を使っても表せます。この二つの文型はどちらも非難や叱責を表す表現となります。 § 例文 § 1.注意されて謝るならまだしも、逆に開き直っている。 2.酒を飲むだけならまだしも、うちの主人は酔うと暴力をふるうんです。 3.単なる冗談ならまだしも、彼の話にはいつも刺がある。 4.私がその場にいたからまだしも、
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