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日本語表現文型辞典 [ナ行]-2

315 *~にしては/*~わりに(は) 名詞・それ :  ×          +  にしては 動詞・形容詞:普通形<ナ形ーである>     にしちゃ <口> 名詞・そ  :  の          +  わりに(は) 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー な >     わりにゃ <口> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :ここは免税店のわりに、交換レートがいいね。両替えで儲けようとしていないだけ、この店はまだ許せるな。 良子:あなたがそんなことを言うから、財布の紐がすっかり緩みっばなしよ。 李 :「後は野となれ、山となれ」さ。ただ、日本に着いてからの交通費だけは残しておいてよ。 ♯ 解説 ♭  「~にしては」と「~わりに」は接続の形に違いがありますが、どちらも「のに」系に属する逆説表現で、「当然の<結果や予想>に反して、事実は~」という意味を表します。常に一般常識や標準を念頭に置いて、実態がそれに反することを述べる点に特徴があります。そして、ここから作られるのが、接続詞「それにしては」「そのくせに」です。  注意する点は、「~わりに」は用法上の制限がないのですが、下のように前後の主語が異なるとき、「~にしては」が使えなくなることです。  親が苦労しているのに(・わりに/×にしては)子どもは気楽に遊んでいる。 § 例文 § 1.12歳という年齢にしちゃ、ひねた子だねえ。 2.スキーは初めてだと聞いていたが、それにしては、なかなかうまく滑るじゃないか。 3.あの子は親が教育熱心なわりに、余り勉強ができない。 4.君は食べるわりに太らないねえ。羨ましい限りだ。 5.彼は体が大きいが、そのわりにゃ力がないねえ。 ★ 例題 ★ 1) 「ここは銀座一の高級料理店だが、値段の(わりに/にしては)(おいしい/おいしくない)ねえ」  「(それにしては/それにしても)、コーヒー一杯が1200円とは驚くねえ」 2) 2年もアメリカ( )留学していたにして( )、君の英語は少しも上達して(いる→    )ねえ。 (^^)前課の解答(^^) 1) にして/ても(条件の逆説)/迷って(→文型362) 2) 築き/に/崩れ(V〔ます〕形+去る:奪い去る・消え去る) 316 ~にしても/それにしても  ・ 名詞・それ :    ×      +  にしても 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×>     にしたって<口> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:遅いわね。お父さん、道に迷っているのかしら。 李 :うん。「駅に着いた」っていう電話があってから、もう三十分もたってるぞ。 良子:「ひとりで行けるから、迎えはいらない」なんて言ってたのにね。 李 :それにしても遅いよ。途中まで迎えにいってみようか。 ♯ 解説 ♭  ここで取り上げたのは既定条件の逆説「~にしても」で、眼前にある既定事実に立って、「~ことは認めるが、<予想・標準>以上に~」や、「~ことは認めるが、まだ/やはり~」を意味します。不足・不満、或いは感嘆などの感情が多く表れるのが、この文型の特徴です。この「~にしても」は「~にしては」(→文型315)と対照的になりますので、関連させて覚えましょう。  <予想・標準以上>   夏にしても、暑すぎる。   高校生にしても、漢字をよく知っている。  <予想・標準に反して>   夏にしては、涼しいね。   高校生にしては、漢字を知らない。 § 例文 § 1.やせたいにしたって、食事もしないのはよくないよ。 2.いくら頭にきたにしても、手をあげたのはやり過ぎだ。 3.まずいとまでは言わないにしても、とても商売になる代物じゃありませんね。 4.それにしても、突然どうしたの?学校をやめるなんて。 5.試合に負けたのはしかたがないが、それにしても一点もとれないとは情けない。 ★ 例題 ★ 1) 「大山君って、元相撲部(だけあって/ばかりに)、いい体格をしてるね」「う~ん。でも(それにしては/それにしても)少し(太る/太り)過ぎているんじゃない?」 2) 寿命で死ぬのはしかたがないにしても、彼(みたいだ→    )交通事故( )死ぬ( )は嫌だなあ。 (^^)前課の解答(^^) 1) わりに(→文型000)/おいしくない/それにしても 2) に/は/いない 317 ~にしても ・ 名詞    :   × / である   + にしても 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/である>  にしたって<口> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 父 :いやあ、すまん、すまん。 良子:何があったんじゃないかと心配してたのよ。遅れるにしても、電話ぐらいは入れられたでしょうに。 父 :小平にみやげをかっておったんじゃ。ほれ、駅前に大きなおもちゃ屋があるじゃろ。 良子:おもちゃ?小平はもう中学生なのよ。 ♯ 解説 ♭  ここで取り上げたのは仮定条件の逆説「(たとえ)~にしても」で、前件が未成立である点が既定条件・逆説の「~にしても」(→ 文型 316)と異なります。  この「~にしても」は「~としても」も使える表現ですが、「~としても」は客観的・中立的ですが、「~にしても」には話者の様々な感情が多く含まれる点で違いがあるでしょう。ですから、感情は強く表す次のような例文は「~にしても」の方が多く使われます。   彼女が誰と結婚するにしても(△としても)、僕には関係ないことさ。 § 例文 § 1.冗談にしても、ほどがある。口を慎め。 2.たとえ何十万かの金が借りられたにしても、焼け石に水だ。 3.十分ではないにしても、これだけの金があれば、なんとか2、3年は暮らしていけるでしょう。 4.仮ににっちもさっちも行かなくなり、僕に泣きつくようなことがあったにしても、僕は知らないよ。 5.百歩譲って、仮に君の主張が正しいにしても、議決されたことに従わないのは民主主義のルールに反することだ。 ★ 例題 ★ 1) 家を買うにし(たら/ても)、せめて頭金(ほど/ぐらい)は貯め(ていない/ておかない)と、後で困るよ。 2) 人の(生きる→   )方は様々である( )しても、求めている( )は幸せになることだろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) だけあって(→文型132)/それにしても/太り(→文型117) 2) みたいに(→文型408)/で(理由)/の(→文型354) 318 *~にしろ/*~にせよ 名詞・疑問詞:   × / である     +  にせよ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/である>     にしろ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:行くにせよ行かないにせよ、連絡だけは入れておかないとまずいわ。お友達を足止めした形になってるし。 李 :熱は下がったけど、子供は体力がないから、無理は禁物だよ。いずれにしろ今日はやめよう。 良子:こぶつきはどこに出かけるにしろ、ままならないわね。でも、親の心子知らず、すやすや寝てるわ。 ♯ 解説 ♭  「~にしろ/~にせよ」は「~にしても」(→文型316・317)と同じで、「~ても」に相当する既定・仮定の逆説表現です。この文型は「いつ・どこ・だれ・なに」など疑問詞を受ける場合があり、その場合「いつにせよ=いつでも/だれにせよ=だれでも」のように、例外なく全てを表す「でも」に相当します。  注意してほしいのは、逆説「ても」は常に前件の後で後件が発生しますが、「~にせよ/~にしろ/~にしても/~としても」は普通形接続なので、どのような場合でも使えることです。例えば下の例文の「乗るにせよ、~」(原形+にせよ)は乗る以前のことを表していますから、「~ても」が使えません。→例題2)   10時の電車に乗ったにせよ(・乗っても)、もう間に合わないよ。   10時の電車に乗るにせよ(×乗っても)、9時だから出かけた方がいい。 § 例文 § 1.子供のいたずらにせよ、少し悪質だ。 2.相手を批判するにせよ、人格攻撃は厳に慎むべきだ。 3.あなたが直接手を下したのではないにせよ、犯行に手を貸したことは疑いの余地がない。 4.「損して得取れ」、どんな商売をするにしろ、目先の利益だけ追っていては、成功はおぼつかない。 5.「溺れる者は藁をもつかむ」でね、誰にせよ、困ったときはなりふりにかまってはいられないものさ。 ★ 例題 ★ 1) 故意ではなかった(にしたら/にしろ)、相手にけがを(した/させた)のだから、治療費は払う(はず/べき)だ。 2) 会社を(辞める→    )にせよ、後の計画をしっかり(立てる→    )からに(する→  )なさい。 (^^)前課の解答(^^) 1) ても/ぐらい(最低限→文型072)/ておかない(「~ておく」→) 2) 生き(~方→文型435)/に/の(「~のは~ことだ」文) 319 *~にしろ~にしろ/*~にせよ~にせよ 名詞    :   × / である    + にせよ~にせよ 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×/である>   にせよ~ないにせよ                        にしろ~にしろ                        にせよ~ないにせよ (注:「にしても~(ない)にしても」も同じ意味を表す) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 百恵:会社命令であるにせよないにせよ、法律に触れるようなことはまずいわ。手が後ろにまわっちやうわよ。 李 :ライバル会社の情報を買うぐらいのこと、違法とまでは言えないんじゃないか。 佐藤:生き馬の目を抜く企業競争下では、違法であるにしろないにしろ、喉から手が出るほどほしい情報だね。 ♯ 解説 ♭  「~にせよ/~にしろ」(→文型318)から生まれた並立助詞の用法で、「(Aの場合)も(Bの場合)も」どちらの場合でも成立するという意味を表します。「~にせよ~ないにせよ」「~にしろ~ないにしろ」と肯定と否定を組み合わせる形も多く使われます。→例題2)  類似表現に「~といい~といい」(→文型206)がありますが、この表現は名詞としか結びつきませんし、肯定と否定を組み合わせることもできません。もう一つの類義表現に 「~(よ)うが~(よ)うが/~(よ)うが~まいが」、「~(よ)うと~(よ)うと/~(よ)うと~まいと」(→文型438)がありますが、「A、Bと無関係に~」を強調します。→例題1) § 例文 § 1.本当にしろ嘘にしろ、実物を見てからのことにしよう。 2.賛成だったにせよ反対だったにせよ、一旦決まったからには、君にも従ってもらう。 3.高いにしろ安いにしろ、必要な物は買わざるを得ない。 4.この地球上の生物は、植物にせよ動物にせよ、水と空気がなければ生きてゆけない。 5.この経営方針を続けるにせよ続けないにせよ、いずれにせよ従来のやり方の踏襲では限界がある。 ★ 例題 ★ 1) その話に乗る(にしろ/といい)、(乗る/乗らない)(にしろ/といい)、まず詳しい話を聞いてからにしよう。 2) 今が不幸であるにせよ( )( )にせよ、親から授かった命を粗末( )(する→    )はならないよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) にしろ/させた(使役文:~に~をさせる)/べき(→文型382) 2) 辞める(~その前に)/立てて/し(命令:V〔ます〕形+なさい) 320 *~に過ぎない 名詞    :   ×        + に過ぎない 動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×> -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :大分登ったけど、まだ全体の三分二に過ぎないよ。 良子:あの頂上の先は下りしかないのよね? 李 :「当たらずと言えども遠からず」だね。下りの途中に、小さなこぶがあるだけだったと記憶しているよ。 良子:ぬか喜びにならなければいいんだけど。 李 :それは杞憂に過ぎないよ。 ♯ 解説 ♭  「~に過ぎない」は「~以上ではない/~でしかない」という意味を表しますが、程度表現の一種で、常にその程度は低い、取るに足りない、大したことはないという軽視の感情を含んでいます。この点が強い断定を表す「~に他ならない」(→文型341)との違いで、「~に他ならない」は他を否定して「(ほかの何ものでもなく)正に~そのものだ」と強く肯定する表現ですから、例えば例文1~4 用例では置き換えが可能ですが、例文5を「当然のことをしたに他ならない」は傲慢で不自然な言い方になりますし、例題1)のような場合は誤文になります。→例題1) § 例文 § 1.その話は、単なる噂に過ぎなかった。 2.この世の栄華は、しょせん泡沫の夢に過ぎない。 3.いくら性能がいいコンピューターでも、人間が使ってやらなければ、ただの箱に過ぎない。 4.今回発覚した政財界ぐるみの汚職事件は、氷山の一角に過ぎない。 5.いえいえ、お礼には及びません。当然のことをしたに過ぎません。 ★ 例題 ★ 1) 英語が(話す/話せる)とは言っても、簡単な会話(は/が)できるに(過ぎません/他なりません)。 2) 君の話は言い訳( )過ぎない。私が知りたいのは、君がどのよう( )責任をとるつもり( )、その一点だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) にしろ/乗らない/にしろ 2) ない/に(ナ形+する)/して(~てはならない→文型195) 321 *~にそって/*~沿い 名詞: ×  +  にそって           にそい           にそう 名詞: ×  +  沿い           沿いの + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今夜は散歩がてら、どこかに飯を食いに行かないか。   線路沿いの銀杏並木が紅葉できれいだったよ。 良子:少し遠いから、自転車にしない? 李 :では、奥様の仰せにそって、しかるべく。 良子:じゃ、小平にも言わなくちゃ。 小平:聞いてたよ。僕、ハンバーグがいいな。 ♯ 解説 ♭  「沿う/添う」は右の図のように「Aに沿ってB」は拠り所Aから離れないで並行して何かBをすることを表します。前に来るのは、基本となる政策・方針・指針・主旨など一連のものです。      図あり   類義文型に「~に基づいて/~に即して/~に踏まえて」(→文型344)などがありますが、Bは拠り所Aに従属した関係にあり、「~に沿って」のように柔軟に対応するものではありません。「~に沿って」は主体を保持しながら不即不離で対応するという意味を表しています。その他、「沿い」には「川沿い・道沿い・道路沿い…」などの接尾語の用法があります。 § 例文 § 1.この川沿いに一時間ほど歩くと、駅に着きます。 2.会社の経営方針にそわないことは、上司として認めるわけにはいかない。 3.何事も当初の基本計画にそって、進めてほしい。 4.なるべく御希望にそえるよう、努力いたします。 5.改革開放政策にそって、大規模な外国資本の導入が決定された。 ★ 例題 ★ 1) 市財政が極めて厳しい(際/折)から、現状(では/には)皆さんの御要望にそい(兼ねます/兼ねません)。 2) 人生の達人は時代の流れ( )逆らわず、その流れに(そう→   )ながら、しかも自分が(流す→    )ことがない。 (^^)前課の解答(^^) 1) 話せる/が/過ぎません(~に他ならない→文型341) 2) に/に/か(疑問句の「か」) 322 *~に対して(は/も) ・/*~に対する 名詞: ×  +  に対して(は/も)           に対し           に対しまして(は/も)           に対する + 名詞           に対しての + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :最近さあ、僕に対して少し厳し過ぎない?それにひきかえ、小平にはずいぶん甘いよなあ。 良子:子供に対しては寛容にと心がけてるだけだわ。 李 :たまには僕にも子供みたいに甘えさせてよ。 良子:あしからず、私はあなたのママじゃないわ。 李 :やれやれ。 ♯ 解説 ♭  「~に対して」は動作の向かう相手や対象を表します。中国語や韓国語では「~について」(→文型325)も「~にとって」(→文型331)も漢字「対」を使って表すので、辞書で引いてもよくわからないという話を多く聞きます。例えば、下のような用例では「~に対して」と「~について」で大きな違いは現れません。   教師が学生の質問について答える。   教師が学生の質問に対して答える。  しかし、次のように対象が「人」の時には、意味が全く異なってきます。   息子について話す。<息子のことを誰かに話す>   息子に対して話す。<何かを息子に話す> § 例文 § 1.政府は記者団に対し、組閣の概要について説明した。 2.ASEAN諸国は第三世界に対して、影響力を拡大しつつある。 3.え~、今までの経過報告に対しまして(⇔につきまして)、御質問があれば何でもどうぞ。 4.不登校は単に学校に対する拒絶反応ではなくて、大人社会に対する子供たちの異議申し立てではなかろうか。 5.さんざん世話になったこの俺に対して、よくもそんな恩を仇で返すような真似ができたものだな。 ★ 例題 ★ 1) 目上(について/に対して)敬語を使うのは、(ひとり/ひとつ)日本だけの社会習慣(だ/ではない)。 2) 僕が子供の頃は、親( )対して口答えでも(する→   )ものなら、(ぶん殴られる→      )ものだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) 折り(→文型023)/では(条件限定)/兼ねます(→文型044) 2) に/そい(→文型270)/流される(受身文:「~を流す」→) 323 ~にたえる/~にたえない 名詞: ×    +  にたえる   ・ 動詞:原形       にたえない  ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:この度のことに関しましては、皆さんの御期待に応えることができず、慙愧にたえません。 李 :上手の手から水が漏れることもあるさ。 課長:この任にたえ得るのは君をおいていないのだから、もうしばらく続投してくれたまえ。七転び八起きだよ。 佐藤:そう言っていただき、感謝にたえません。 ♯ 解説 ♭  「た(耐/堪)える」は「忍耐する・その任務に応じられる・値する」などの意味を持ちます。多くは「~にたえない」の形で使われ、例文1~3のように「感謝・無念・遺憾・悲しみ・同情・~の念・~の思い…」などの感情を表す名詞について「我慢できないほど~だ」という感情を強調する程度表現となります。この場合、「~を禁じ得ない」(→文型464)とほぼ同義表現になります。  また、「動詞・原形+たえる」は例文4、5のように「~するだけの価値がある」という意味も表します。話者自身の主観的評価・心情的気持ちを伝える文型ですが、「~に値する/~に値しない」(→文型324)とほぼ同義表現になります。   同情にたえない。 ≒ 同情を禁じ得ない。   聞くにたえない。 ≒ 聞くに値しない § 例文 § 1.会社ぐるみで選挙違反をするなど、誠に怒りにたえない。 2.手塩にかけて育てた愛弟子がこんな死に方をするなんて、無念にたえない。 3.飢餓が蔓延するこの国の惨状を見るにつけ、隣国の一人として同情にたえない。 4.部長の歌は聞くにたえないものだったよ。 5.多くの絵画が陳列されているが、鑑賞にたえる作品というのは少なく、多くは見るにたえない代物ばかりだ。 ★ 例題 ★ 1) 最近の女性週刊誌(といったら/ときたら)、読む(にたえる/にたえない)もの(だけだ/ばかりだ)。 2) 相次ぐ政界の不祥事( )関しては、一政治家( )して、誠に遺憾の念に(たえる→      )。 (^^)前課の解答(^^) 1) に対して/ひとり(ひとり~だけだ→文型138)/ではない 2) に/しよう(→文型448)/ぶん殴られた(過去回想→文型422) 324 ~に足る/~に値する/~に恥じない  名詞: ×   + に足る/に足りる/に値する  ・  動詞:原形     に足りない/に値しない    ・            に恥じない          ・ (注:「~に足る」と同じ意味で「~に足りる」も使われる) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 部長:今回の第二次OA化計画は、会社全体の予算の半分を投ずるに値する重要な計画だよ 課長:確かにそう思いますが、大量の余剰人員が生じますから、労働組合の総反発を招き兼ねません。 部長:そのことは問題にするに足りない。労務の話では、もう組合との調整はついているとのことだ。 ♯ 解説 ♭  「足る」は「必要量が十分ある/十分条件を満たす」などの意味の動詞で、この「~に足る」は「~に値する」と同じ意味を表すようになります。この文型は必要な質・量・条件などを満たすかどうかという基準に立ち理性的評価を加える文型です。  同義表現に「~にたえる/~にたえない」(→文型323)がありますが、「聞くにたえない」は「聞いているのが我慢できないほどひどい」という感情や心情を表しますから、外部の対象を客観的に評価し、相手に伝えるときは「~に足る/~に足りない」か「~に値する/~に値しない」の方が適切になります。   満足するに足る(×にたえる)成績だった。  なお、「~に恥じない」は、多くは「~の名に恥じない/~たるに恥じない」の形で使われ、「その価値が十分ある」という意味を表します。→例題1) § 例文 § 1.「男として生まれたからには、人生を賭けるに足りる仕事がやってみたいねえ」「女だって同じよ」 2.取るに足りぬことを、重大事かの如く騒ぎ立てるな。 3.彼みたいな小物が我々に対して何を言おうがわめこうが、恐れるに足りない。 4.最近の小説は低俗で、読むに値しないものばかりだ。 5.日本の能は幽玄の名に恥じない深みがあり、一見に値する。 ★ 例題 ★ 1) 「この件、彼ひとりに任せ(てあって/ておいて)大丈夫でしょうか」「大丈夫。彼は我々(は/が)信頼する(に堪える/に足る)男だよ」 2) さすが日本きって( )名酒( )( )あって、その名に(恥じる→  )芳醇な香りと味わいがある。 (^^)前課の解答(^^) 1) ときたら(→文型229)/に堪えない/ばかり(→文型362) 2) に(→文型304)/と(→文型237)/たえません 325 *~について/*~につき/*~についての 名詞: ×        +  について(は/も) 助詞:~か/~かどうか     につき                 につきまして(は/も)                 についちゃ<口>                 についての + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:ごみ焼却場の建設について、住民アンケートがあったから、条件つきで賛成しておいたわ。 李 :ごみ対策は、どの自治体でも尻に火がついているからね。それで、どんな条件をつけたの? 良子:環境アセスメントについての説明会を要求したわ。 李 :そこが肝心だね。 ♯ 解説 ♭  「~について」は取り上げた対象について具体的に内容を述べる用法で、ほぼ「~に関して」と同義表現ですが、日常会話では「~について」が普通です。この「~について」は「~にとって」(→文型322)や「~に対して」(→文型331)と混同しやすいので、使い分けに注意しましょう。→例題1)   日本について語る。<~のことを具体的に>   日本に関して語る。<~に関係することを広く取り上げて>  なお、「~について/~につき」には、例文5のように割合を表す用法があり、そのときは以下の表現と入れ替えが可能です。   時給は1時間  につき   1200円です。           について           に対し           あたり § 例文 § 1.この件について、君の率直な意見を聞かせてくれ。 2.不都合なことについては、君はいつも口をつぐむんだね。 3.君の功績についちゃ、僕たちも十分認めているんだよ。 4.机上の空論をもてあそばず、もっと地に足が着いた実行可能なことについて討論しないか。 5.一人につき(⇔について/⇔に対し/⇔あたり)50円の参観料をいただきます。 ★ 例題 ★ 1) ある宣教師から「人間(について/にとって)幸せとは何か(について/に対して)考えたことがありますか」と(尋ねた/尋ねられた)。 2) この法案が参議院で(可決する→      )( )否( )については、今は何とも判断がつきません。 (^^)前課の解答(^^) 1) ておいて(放置・放任の「ておく」)/が/足る 2) の(→文型061)/だけ(~だけあって→文型132)/恥じない 326 ~に次いで/~に次ぐ 名詞 : ×  +  に次いで       ・            に次ぎ 名詞A: ×  +  に次ぐ + 名詞A  ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:ねえ、見て見て、このポスター。 百恵:な~に? あら、また香港の歌手の来日公演ね。最近やけに多いわね。 真理:アメリカに次いで多いんじゃないかしら。 李 :確か中国語を勉強する人の数も、英語に次ぎ第二位だったんじゃなかった? ♯ 解説 ♭  「~に次いで/~に次ぐ」は例文1~3のように「すぐ後に続く」、或いは「程度や地位がすぐ下にある」を意味し、この表現は「~の次に」を使っても表せます。→例題2)   地震に次いで津波が起こる。=地震の次に津波が起こる。   大阪は東京に次ぐ大きな都会=大阪は東京の次ぎに大きな都会  その他、例文4、5のように、同じ名詞を「Aに次ぐA」の形で繰り返して、次から次へと連続して起こる事態を表す用法があります。→例題1) § 例文 § 1.自動車・電気製品に次いで精密機械が、日本の主な輸出品だ。 2.今や中国は、アメリカに次ぐスポーツ大国と言える。 3.大学入試は午前中に筆記試験が行われ、次いで午後から面接試験が行われることが多い。 4.連勝に次ぐ連勝で、あのチームは波に乗っている。 5.戦争に次ぐ戦争で国土は荒れ、多くの尊い人命が毎日のように奪われている。 ★ 例題 ★ 1) 悪いことは重なる(こと/もの)で、不幸(に次ぐ/に次いで)不幸(が/を)重なり、父も病に倒れた。 2) 現在、中国( )次に人口が多い( )はインドだが、近い将来には、インドの人口は中国を越すと(言って→      )いる。 (^^)前課の解答(^^) 1) にとって/について/尋ねられた(「~から~られる」受身文) 2) 可決される(~可決する→受身文)/か(→文型040)/か 327 ~につき 名詞:  ×  + につき -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 良子:このインスタント・ラーメン、二つにつき一つおまけになるみたいよ。買っとこうかしら。 李 :「売り出し中につき、出血大サービス」ってあるけど、安かろうまずかろうじゃかなわないよ。 良子:そうね。いつかの冷凍食品の二の舞は嫌だもんね。 李 :それにさ、毎日食べさせられる僕の身にもなってよ。 ♯ 解説 ♭  「~につき」は名詞に接続して「~という理由で」を表す接続助詞です。掲示物や手紙、通知文で多く使われる文章語で、日常会話ではあまり使われません。  格助詞の「~について/~につき」や、比率の「~につき」と混同しやすいので注意しましょう。   ただ今会議中につき、少々お待ちく ださい。   <理由>   会議の内容につき、書面にてお知ら せします。  <内容>   一時間につき千円の時給が支払われ ます。    <比率> § 例文 § 1.面会謝絶につき、入室はお断りします。 2.準備中につき、今しばらくお待ちください。 3.店内改装中につき、しばらく休業いたします。 4.工事中につき、御迷惑をおかけします。 5.この薬品は危険につき、取り扱い注意。 ★ 例題 ★ 1) 社長はただいま会議(中/最中)(について/につき)、秘書の私が、かわって御用件を(聞きます/承ります)。 2) お客様にはご迷惑をお(かける→   )しております。ただ今、連絡船は強風( )つき、運行を見合わせております。天候が(回復する→     )次第、出航の予定でございますが、今のところ、見通しは立っておりません。 (^^)前課の解答(^^) 1) もの(ものだ→文型420)/に次ぐ/が(自V) 2) の/の(=国)/言われている(→文型221) 328 *~につけ/*~につけて(も) 名詞     : ×  +  につけ 動詞・イ形容詞:原形     につけて(も) (注:接続詞の形は「それにつけても」、「何かにつけ」は慣用) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :それにつけても景気が悪いなあ。商店街でも店を閉めてるところが増えたよ。 良子:デパートの売上げも長期低落傾向ね。みんな財布のひもが堅くなっているのよ。 李 :この事態を見るにつけ、バブルの頃が懐かしく思い出されるよ。まあ、はかない一炊の夢だったけど。 ♯ 解説 ♭  「~につけ/~につけて(も)」は「~すると、自然に~」を表す文型で、「~と、決まって/~と、いつも」や「~度に」(→文型151)と類義表現になります。この文型の特徴は後件に「思い出される/しのばれる/案じられる/よみがえる/感じられる」などの自発の動詞が多く現れることで、話者の感慨や感情を込めた自然・自発の時の表現です。そのため、この文型は後件で意志行為が表せませんが、「~と、いつも/~度に」はどんな場合にも使えます。  クリスマスになる   ○ 度に   ○ といつも/と決まって   × につけ  母はケーキを作ってくれた。 § 例文 § 1.今日の祖国の繁栄を思うにつけ、戦場に散っていった戦友のことが偲ばれる。 2.君は何かにつけて僕に辛くあたるが、何か僕に恨みでもあるのかい。 3.何事につけても「石の上にも三年」だよ。それが辛抱できないようで何も身につかない。 4.それにつけても思い出すのは初めて東京に来た日のことだ。 5.一人二人と友がこの世を去るにつけ、老いの寂しさを感じる。 ★ 例題 ★ 1) 寒い(にせよ/につけ)心配し、暑い(にせよ/につけ)心配し、母が子(を/と)思う愛は海より深い。 2) この写真を(見る→    )につけ、優しかった母の面影( )まぶた( )浮かんでくる。 (^^)前課の解答(^^) 1) 中(→文型162)/につき/承ります(謙譲語) 2) かけ(謙譲形→文型019)/に/回復し(~次第→文型110) 329 ~につけ~につけ 名詞     :  ×      + につけ ~ につけ 動詞・イ形容詞: 原形 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:良きにつけ悪しきにつけ、子は親から影響を受けるね。うちの姉など、口うるさいところが母そっくりだ。 李 :「この親にしてこの子あり」とは、けだし名言だな。 百恵:特に娘は年をとると母親に似ると言われるけど・・・。 李 :一方、息子の方は父親の背中を見て育つと言われるね。となると、僕の責任も重大だなあ。 ♯ 解説 ♭  「~につけ」(→文型328)から生まれた並立助詞の用法で、「AにつけBにつけ」と対になる語を重ねて、「~の時も~の時も~」を表します。後件では自然に引き起こされる事態が述べられます。そのため、後件で人為的な事柄は表せません。  問題になるのは「~にせよ~にせよ/~にしろ~にしろ」(→文型319)が同じような意味を表すことがあることです。これらは後件で自由に人の判断・推量・意志を表します。逆に言えば後件で自然・自発の事態を表すときは「~につけ~につけ」が適切で、「~にせよ~にせよ/~にしろ~にしろ」が不自然になります。→例題1)   雨につけ風つけ(×雨にせよ風にせよ)、故郷のことが思い出される。 § 例文 § 1.雨につけ風につけ、故郷のことが思い出される。 2.嬉しいにつけ悲しいにつけ、酒は心の友となる。 3.この庭に梅の花が咲くにつけ散るにつけ、思い出されるのは、若くして亡くなった娘のことだ。 4.楽しいにつけ悲しいにつけ、あなたと過ごした幾年月が懐かしく偲ばれる。 5.良きにつけ悪しきにつけ、親は巣立っていく子供を見守ることしかできない。 ★ 例題 ★ 1) いい(にしろ/につけ)悪い(にしろ/につけ)、もう(決定する/決定した)ことをとやかく言うな。 2) 祖国のニュースを見る( )つけ聞く( )つけ、国にいる妻子のことが(案じる→      )。 (^^)前課の解答(^^) 1) につけ/につけ/を 2) 見る/が/に(「まぶたに浮かぶ」は慣用的言い方) 330 *~につれて/*~に伴って/*~に伴う 名詞: ×  +  につれて 動詞:原形     につれ           に伴って           に伴い           に伴う + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 小孫:帰国されたと聞きましたが、いかがでしたか。 李 :まるで雨後の竹の子のようにビルが建設されていて、日本の不況など、どこ吹く風といった感じだったよ。 小孫:改革開放に伴う生活の変化も激しいでしょうねえ。 李 :うん。ただ、それにつれて拝金主義の風潮がはびこっていて、よき伝統が損なわれないかと気になったよ。 ♯ 解説 ♭  「AにつれてBする/Aに伴ってBする」は「Aが変わると、いっしょにBも変わる」という比例変化の表現を作ります。意味の差はほとんどありませんが、「~伴って」には「Aに伴う<名詞>」の形がありますが、「~につれて」には「Aにつれる<名詞>」の形がありません。また「~に伴って」には、例えば「地震に伴って(×につれて)津波が起こる」のように、併発・付随現象を表す用法がありますが、この場合は「~につれて」が使えません。→例題1)  ここではいくつかの同義表現の持つ語感の違いを述べておきましょう。   経済の発展     につれて<自然な変化>     に伴って<付随した変化>     とともに<同時進行の変化>     に従って<因果関係を強調>   人々の暮らしも良くなった。 § 例文 § 1.経験を積むにつれて、人は慎重になる。 2.国際化が進むにつれ、従来の教育の在り方についても、改革が迫らることだろう。 3.歌は世につれ、世は歌につれ。 4.医学の進歩に伴い人々の平均寿命も延びてきたが、それに伴う高齢者対策が焦眉の急となっている。 5.日本の円安不況に伴う消費の冷え込みが、アジア諸国の輸出不振をもたらし、更に金融不安を増幅している。 ★ 例題 ★ 1) 火山の噴火(につれて/に伴って)土石流(が/を)発 生し、次々に人家をのみ込んで(きた/いった)。 2) 年を(とる→  )につれ、物忘れが(ひどい→   )なり、朝、何を食べた( )さえ忘れる始末だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) にしろ(→文型319)/にしろ/決定した 2) に/に/案じられる(形は受身形だが自発動詞) 331 *~にとって(は/も)/*~にとり 名詞: ×  +  にとって(は/も)           にとりまして(は/も)           にとっちゃ<口>           にとっての + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 真理:A社のサッカー部に試合を申し込んだそうね。相手にとって不足はないでしょ? 李 :俺達にとっちゃ雪辱戦なんだ。前回優勝を鼻にかけてるんで、しゃくにさわってね。後には引けないんだ。 百恵:寄せ集めのチームじゃ、百に一つの勝ち目もないかもしれないけど、窮鼠猫を噛むってこともあるから。 ♯ 解説 ♭  「~にとって(は/も)/~にとり」は「~の立場・視点に立って言えば」を意味する表現で、広範に制約なく使える表現です。丁寧な言い方としては「~にとりまして」、口語として「~にとっちゃ」などがあります。  関連表現に「~にしたら/~にすれば/~にしてみれば」(→文型313)がありますが、これは主として人や擬人化できる組織(会社・国…)について、「誰それの身になって考えれば」と共感や同情を表す表現ですから、無生物を受ける場合や事態の客観描写には使えません。   それは学問の進歩にとって(×にしてみれば)、大きな貢献だ。 § 例文 § 1.それは私にとって、はじめての体験だった。 2.酒造りにとっては、水と米こそ命です。 4.あのような男と付き合いましても、私にとりましては一円の得にもなりません。 3.不毛な論争にはピリオドを打とう。我々にとって大切なのは、今、何をなすべきかということだ。 5.この話は、あなたにとっても私にとっても、悪い話じゃないと思いますがね。 ★ 例題 ★ 1) 現代人(として/にとって)パソコンや携帯電話などは、(今こそ/今や)(なくては/ないでは)ならない必需品だ。 2) 子供( )とって何よりも大切なことは、親から(愛する→     )( )( )だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) に伴って/が(自V)/いった(~ていく→文型177) 2) とる/ひどく(イ形+なる)/か(疑問句の「か」) 332 ~に(も)なく/~に(も)ない 名詞: ×  +  になく           にもなく           に(も)ない + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :小平がなついたせいか、お父様はいつになくお喜びだったね。 良子:あんなに嬉しそうな父の顔は私の記憶にないわ。目に入れても痛くないような可愛がりようって、あのことね。 李 :うん、僕もあんなに相好を崩されたお父様を見たのは初めてだ。 ♯ 解説 ♭  「~に(も)なく/~に(も)ない」は名詞を直接受けて、「普段の~と違って/一般の~とは思えない」という意味を表します。話者がいつもの状態や内容と異なる事態に直面したときに使う文型です。間違いが多く現れるのは、類形文型「~と(も)なく」(→文型252)との違いですが、「~と(も)なく」は疑問詞や疑問詞を含む名詞について不確かな状態を表したり、「見るともなく空の雲を見ていた」のように無意識の行為を表す表現です。   彼はいつにもなく上機嫌だった。<いつもと違って>   彼はいつともなくいなくなった。<いつとわからないうちに> § 例文 § 1.柄にもないことをするから、そんな失敗するんだよ。 2.我にもなく興奮して部下を大声で怒鳴ってしまった。 3.彼女はいつになくおめかしをして、そわそわと出掛けていった。 4.好天気に恵まれたおかげか、今年は例年になく、蜜柑が豊作だった。 5.普段は大きい口を叩いているくせに、いざとなると口ほどにもない奴だ。 ★ 例題 ★ 1) どうしたん(かい/だい)?いつ(となく/になく)今日の君(は/が)元気がないじゃないか。 2) 子供( )もなく(かわいい→    )げのない(生意気だ→     )口のきき方をする小僧だなあ。 (^^)前課の解答(^^) 1) にとって/今や/なくては(なくてはならない→文型333) 2) に/愛される(「~から~られる」受身文)/こと(→文型084) 333 ~になくてはならない/~に欠くことができない 名詞: ×  +  に(⇔にとって)なくてはならない           に(⇔にとって)欠くことができない           に(⇔にとって)欠かせない           に(⇔にとって)不可欠だ           に(⇔にとって)不可欠な + 名詞 -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :水は人間にとって欠くことができない物だよ。 良子:洗濯にもなくてはならないし、挙げだしたらきりがないわ。宗教でも汚れを清めるのに使うわね。 李 :ところで、昨日のことは水に流してよ。 良子:朝帰りのこと?だったら、おあいにく様。 李 :機嫌を直してくれよ。心を入れ替えるからさ。 ♯ 解説 ♭  これらの文型はどれも「名詞+になくてはならない」或いは「名詞+にとってなくてはならない」などの形で接続し、「~に絶対必要だ/~に不可欠だ」という意味を表します。いろいろな同義文型がありますから、例を挙げておきます。   生活に絶対必要な物  =生活になくてなならない物  =生活に欠かせない物  =生活に不可欠な物 § 例文 § 1.彼はわが社にとってなくてはならない人材だ。 2.人間の体にとって、塩はなくてはならないものだ。 3.米は日本人になくてはならない主食であり、何としても自給体制は維持しなくてはならない。 4.日本料理に欠かせないものは、味噌と醤油でしょう。 5.開発途上国にとって、資金と技術面の国際協力は、経済成長に不可欠な要素だ。 ★ 例題 ★ 1) A社(で/と)の技術提携は、この新製品開発を進める上(に/で)、なくては(いけない/ならない)前提条件だ。 2) 人間社会にとって家族という( )( )は、これからもなくてはならない基礎単位( )(ある→   )続けるだろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) だい(→文型129)/になく/は 2) に/かわい(~げ→文型076)/生意気な(ナ形) 334 ~に上る/~を下らない/~や~にとどまらない 数詞・数量を表す語: ×  +  に上る       ・                  を下らない     ・                  を越す       ・                  や~にとどまらない ・ -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今月は残業続きで、100時間を越しそうだよ。残業手当てだけも、20万を下らないだろうが・・・。 百恵:でも、連日はきついわね。 李 :うん、こんな調子が続くと、過労死し兼ねないよ。 百恵:お金にはかえられないものがあるもんね。 李 :全くその通り。 ♯ 解説 ♭  これらは数詞について、その数量がとても多いという気持ちで用いられることで共通しています。「~に上る」は数詞や「~以上/~の数」に接続して、「~に達する」という意味を表します。「~を下らない」は数詞について「~以下ではない/~より少なくない」という意味を表し、実際は「~を越す」(=それより多い)ことを暗示します。「~や~にとどまらない」は前に小さい数量、後ろにそれより一つ大きい数量を重ねて「それらの範囲に限れない」という意味を表しますが、どれも実際はもっと多いことを暗示します。 § 例文 § 1.今朝の新聞によると、某国内の宗教対立から生じた衝突によって、数千人に上る死傷者が出たそうだ。 2.サラ金から借りた金が積もりに積もって、元利をあわせて500万円に上っている。 3.○○証券の負債総額は、二千億円を下らないとのことだ。 4.毎年交通事故で死ぬ人の数は、二万や三万にとどまらない。 5.あの人はもう七十歳を越しているが、どこから見ても五十歳そこそこの若さだ。 ★ 例題 ★ 1) 噂(によって/によると)、彼が手にした遺産は、一億を(下らない/とどまらない)(ようだ/そうだ)。 2) この地球上( )毎年飢えの( )( )に死ぬ人の数は、相当の数( )上るだろう。 (^^)前課の解答(^^) 1) と/で(~上で→文型013)/ならない 2) もの(→文型214)/で(「~である」体)/あり(→文型352) 335 ~には/~におかれましては 名詞(人・組織): ×  +  には                 におかれましては -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 李 :今宵は奥様におかれましては、ご機嫌麗しく恐悦至極に存じます。 良子:さてさて、貴公には熱でもおありかな?急に時代がかった言い方されるとびっくりするわ。 李 :ビールに枝豆かと思ったら、こんなにごちそうが! 良子:何言ってんの。今日は父の日じゃないの。 ♯ 解説 ♭  「~には/~におかれましては」は主語につく助詞で敬意を込めた「~は」に相当します。「~には」より敬意を込めた表現が「~におかれましては」で、手紙や儀礼的な書面で用いられる表現です。公式な場面での改まった言い方としては使われますが、日常用語ではありません。  注意してほしいのは、「~には」は目的を表したり、行為の相手・対象についたり、目的地を表す用法がありますから、混同をしないようにしましょう。   成田空港に行くにはJRが便利だ。 <目的>   田中さんには手紙で連絡しました。 <対象>   入管には明日行きます。      <目的地> § 例文 § 1.父上には御健勝の由、何よりのことと存じます。 2.天皇陛下におかれましては、ただ今、別室にて御休憩中であらせられます。 3.皆々様にはお変わりもなく、心からお喜び申し上げます。 4.大統領閣下におかれましては、午後から外賓の方々と御会食の御予定でございます。 5.貴社におかれましては、念願のアメリカ進出を果たされたとのこと、誠におめでとうございます。 ★ 例題 ★ 1) 女王陛下におかれましては、いたく(お/ご)心痛との(由/節)、(お/ご)慰め(する/になる)言葉もございません。 2) お母様( )は無事( )退院とのこと、私どもも心からお(喜ぶ→    )申し上げます。 (^^)前課の解答(^^) 1) によると(情報源→文型350)/下らない/そうだ(伝聞) 2) で(範囲限定)/ため(原因の「ために」→文型152)/上る 336 *~に(は)/*~(の)に 動詞:[ます]形 +  に  +  行く/来る/帰る ・ 名詞: ×    +  に(は)             ・ 動詞: 原形   +  に(は)/のに(は) -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:旅を楽しむには、何と言っても鈍行に揺られてのひとり旅、これに限るよ。 李 :時間があればの話だね。ところで中国の友人が日本に遊びに来るんだ。長期滞在にいいホテル、知らない? 山田:会社の寮にしなよ。安く上げるには一番だよ。 李 :そうか、その手があったか。灯台下暗しだったなあ。 ♯ 解説 ♭  ここで取り上げたのは 目的の「~に」です。「動詞[ます]形+に(行く・来る・帰る…)<移動動詞>」の形は初級文型で、移動動作の目的を表しています。また、後件に状態性の述語「いい・悪い・便利だ・不便だ・必要だ・~やすい・~にくい…/役立つ・要る・かかる・使う…」などが来るときは、「早起きは健康にいい」のように「名詞+に/原形+のに」の形で目的・用途を表します。更に、話題として目的をはっきり取り出すとき、「~には」という形が使われますが、「ためには」の省略形と言ってもいいでしょう。→例題1)   成功するには(・ためには)、夢を持ち続けることが大切だ。 § 例文 § 1.「体にいいこと、何かしてる?」  「うん、週2回、近くのプールへ泳ぎに行ってるよ」 2.中国語でこの手紙を書くのに、3時間もかかったよ。 3.この辞典は用例も豊富だし、外国人には使いやすいと思う。 4.中国の友達が来るんで、成田まで迎えに行かなくちゃならないんだ。成田に行くには何で行ったらいいかなあ。 5.勝つには相手の手を読むことだ。相手の手を読むには情報を集めることだ。つまり情報が勝敗の雌雄を決する。 ★ 例題 ★ 1) 花嫁探し(に/のに)インターネットが(使ってる/使われてる)ってこと、君、(知った/知ってた)? 2) タバコが健康( )悪いことはわかって(いる→  )ながら、なかなか(やめられる→       )んだ。 (^^)前課の解答(^^) 1) ご/由(→文型209)/お/する(謙譲形→文型019) 2) に/ご/喜び(謙譲語) 337 ~には当たらない 動詞:原形  + に(は)当たらない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 佐藤:彼、海水浴に行った先で、溺れている子供を助けて、警察から表彰されたらしいよ。 山田:彼は泳ぎ達者だし、少しも驚くには当たらないさ。僕なら、子供もろとも海の藻くずとなっただろうよ。 李 :僕も先日、2万円も入った財布を拾って、猫ばばもせずに交番に届けたけど、表彰には値しないのかねえ。 ♯ 解説 ♭  「~に当たる」には「~に相当する」という意味があり、「~には当たらない」は「~するほどの大きな問題ではない/~しなくてもいい」という意味を表します。相手が過度に反応しているのに対し、「そこまで~する必要はない」と諌めたり諭したりするのがこの文型の特徴です。この文型は程度の「~ほどのことではない」(→文型394)や、不必要の「~までもない/~には及ばない」(→文型338)と類義表現となりますので、各項を参照してください。   君が行く には当たらない。        ほどのことではない。        までもない。 § 例文 § 1.こんな鼻風邪なんて、病気と言うには当たらないよ。 2.一度や二度受験に失敗したからって、落胆するには当たらない。僕なんか四浪さ。 3.取るに足りぬ過ちじゃないか。いちいちめくじらをたてるには当たらないよ。 4.本人も謝っているんだし、そんなに怒るには当たらない。 5.今は不幸のどん底であっても、禍福はあざなえる縄の如し、前途を悲観するには当たらない。 ★ 例題 ★ 1) 会社の上層部が(する/した)ことを、平社員の君(すら/まで)が謝る(に当たる/には当たらない)よ。 2) 彼はこんなことでへこたれたり( )( )ような人間(だ→    )から、心配する( )は当たらないよ。 (^^)前課の解答(^^) 1) に/使われてる(受身文)/知ってた(ていた→てた<口>) 2) に/い(逆説の「~ながら」→文型270)/やめられない 338 ~には及ばない/~までもない 名詞:×   +  に(は)及ばない       ・ 動詞:原形  +  には及ばない         ・           までもない           までのこともない -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 ♪ 山田:どんなに努力しても売り上げ成績が佐藤に及ばないなんて、全く嫌になっちゃう。神様も不公平なものだよ。 李 :僕だって彼にはかなわないよ。小さい時から勉強は言うまでもなく、何でも来いだったらしいからね。 山田:僕に気を使うには及ばないよ。とにかく彼はやることなすことにそつがない。 ♯ 解説 ♭  「AはBには及ばない」の形は例文1や「数学では、僕は彼に及ばない」のように、「(能力・地位・実績などの程度が)AはBの水準に達しない」という意味を表します。  それ以外に、動詞の原形と結びつくと、「~には及ばない」や「~までもない/~までのことはない」は「~する必要はない/~しなくてもいい」という意味を表します。「~には及ばない」は名詞や「それ」に直接ついて不必要を表すことができますが、この場合は「~までもない」が使えません。   説明するには及ばない(・までもない)。   説明(/それ)には及ばない(×までもない)。  「~ことはない」(→文型093)も不必要を表すことがありますが、「~までもない」は「そうしても無駄になる」、「~には及ばない」は「まだ必要な状況ではない」、「~ことはない」は「そうしない方がいい」という状況判断の違いで使い分けられています。→例題1) § 例文 § 1.知は情に及ばず、情は信に及ばず、信じる力こそ何ものにも勝る。 2.わざわざお越しになるには及びませんでしたのに。 3.君が心配してもはじまらないし、また心配するには及ばない。 4.君から聞くまでもなく、その件はとっくに承知している。 5.今更繰り返すまでもないが、本殺人事件が保険金目当ての犯行であることは、火を見るよりも明らかである。 ★ 例題 ★ 1) (ほんの/ただの)風邪だから、(わざわざ/せっかく)見舞いに来てくれる(ことはない/には及ばない)よ。 2) 言う( )( )もなく、君と彼の実力は互角と言える。君は技では彼に(及ぶ→     )が、力では彼( )勝っている。勝敗は時の運だ。 (^^)前課の解答(^^) 1) した/まで(「~すら」と「~まで」→文型404)/には当たらない 2) する(→文型158)/ではない(「じゃない」も可)/に 339 *~に反して/~に背いて 名詞・名詞句(~の/~こと): ×  +  に反して ・                       に反し                       に反する                       に背いて ・                       に背く -------------------------------------------------------------------------------- ♪ 会話 
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